AMD Software: Adrenalin Editionの設定について解説していきます。Radeon製グラフィックボードを使用している方が対象です。NVIDIAのGeForceに比べると情報が少なく、Adrenalinのどこを触ればいいのか分からない、設定項目が多すぎて手が出ないという声をよく聞きます。実は、押さえるべき項目は限られていますのでそこまで難しく考える必要はありません。
この記事では、中古ゲーミングPCを日々検証している私たちが、2026年最新版のAdrenalinで本当に効果のある設定だけを、優先度付きの一覧表と画像で解説します。NVIDIA GeForce搭載PCをお使いの方は、姉妹記事のNVIDIA Appの使い方ガイドをご覧ください。
時間がない方へ60秒でわかるおすすめ設定
| 設定項目 | おすすめ | ひとこと理由 |
|---|---|---|
| Radeon Anti-Lag | 有効 | 入力遅延を軽減。デメリットがほぼない |
| Radeon Image Sharpening | 有効(シャープネス80%) | 負荷ほぼゼロで映像がくっきり |
| AMD FreeSync | 有効 | 対応モニターならカクつき・ティアリング低減 |
| Radeon Boost | 無効 | 対応ゲームが限られ、画質低下が目につく場合も |
| Radeon Chill | 無効 | 省電力向け。fpsを出したいゲームでは不要 |
| 垂直リフレッシュを待機(VSync) | オフ(既定) | ゲーム内設定で制御する方がトラブルが少ない |
| AFMF 2.1(フレーム生成) | 重いゲームのみ有効 | fpsが大きく伸びるが遅延も増える。使い分けが大事 |
上記設定をしておけば、ほとんどのゲームで快適に動作します。各項目をより詳しく知りたい方はこのまま読み進めていただければと思います。
AMD Software: Adrenalin Editionとは

AMD Software: Adrenalin Edition(以下Adrenalin)は、Radeonのドライバに付属する統合設定ソフトです。NVIDIA GeForceシリーズでいうNVIDIA Appとなります。次のことがすべてこの画面ひとつで完結します。
- ドライバの更新とゲームごとの画質・パフォーマンス設定
- FPS表示などのパフォーマンス計測(オーバーレイ)
- 録画・配信・スクリーンショット
- GPUのクロックやファンのチューニング
デスクトップで右クリックしてAMD Software: Adrenalin Editionを選ぶか、ゲーム中でもAlt+Rキーでいつでも呼び出せます。2026年8月時点の最新バージョンは26.8.1で、Radeon RX 9000・7000・6000・5000シリーズと、Ryzen内蔵グラフィックスに対応しています。グラフィックボードそのものの基礎を知りたい方はグラフィックボードとはも合わせてどうぞ。
AMD Software Adrenalinのインストールと初期設定
ドライバとAdrenalinのインストール
Adrenalinはドライバと一体になっているため、AMD公式サイトからドライバをインストールすれば自動的に入ります。手順は次の通りです。
- AMD公式サイトの「ドライバーとサポート」ページを開く
- お使いのGPU(例:Radeon RX 9070 XT)を選択してダウンロード
- インストーラーを起動し、画面の指示に従ってインストール
どのGPUを積んでいるか分からない場合は、公式の自動検出ツールを使うか、パソコンのスペック確認方法を参考にしてください。なお、中古PCの購入直後やグラボ換装直後で動作が不安定な場合は、古いドライバの残骸が原因になっていることがあります。その場合はGPUドライバのクリーンインストール手順を先に済ませておくのがおすすめです。
最初に必ず確認したい2つの設定

細かい設定の前に、効果が大きい2つだけ先に確認しましょう。1つ目はAMD FreeSyncです。上部タブの「設定」(歯車アイコン)→「ディスプレイ」を開き、お使いのモニターがFreeSync対応なら「AMD FreeSync」を有効にします。モニターのリフレッシュレートとGPUの描画タイミングが同期し、ティアリング(画面の横割れ)とカクつきが大きく減ります。対応していないと画像のようにサポートされていませんと表示されます。モニター購入時の基準になります。
2つ目はモニターのリフレッシュレートです。これはAdrenalinではなくWindows側の設定で、「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「ディスプレイの詳細設定」から、モニターの最大値(144Hzモニターなら144Hz)になっているか確認してください。せっかくの高リフレッシュレートモニターが60Hzのままになっているケースは多いです。
ゲーミング向け推奨設定一覧表

本題の設定一覧です。Adrenalinの「ゲーミング」タブ→「グラフィックス」に並ぶ項目を中心に、優先度付きでまとめました。◎は必ず確認したい項目、○は好みに応じて、—は基本そのままでOKの項目です。
| 優先度 | 設定項目 | おすすめ設定と効果 |
|---|---|---|
| ◎ | Radeon Anti-Lag | 有効。GPU負荷が高い場面での入力遅延を軽減。ほぼ全ゲームで恩恵あり |
| ◎ | Radeon Image Sharpening | 有効・シャープネス80%前後。負荷がほぼ増えずに輪郭がくっきりする |
| ◎ | 垂直リフレッシュを待機 | 「アプリケーション設定を使用」のまま。VSyncのオンオフはゲーム内で制御 |
| ○ | AMD Fluid Motion Frames 2.1 | 重いシングルプレイゲームのみ有効。フレーム生成でFPSが大幅に伸びる |
| ○ | Radeon Super Resolution | FSR非対応の重いゲームだけ有効。ドライバ側アップスケーリングでFPS向上 |
| ○ | Radeon Chill | 基本無効。発熱・消費電力・ファン音を抑えたい時だけ有効 |
| ○ | フレームレートターゲットコントロール | 基本無効。FPS上限を決めて発熱を抑えたい場合のみ設定 |
| ○ | Radeon Boost | 基本無効。対応ゲームで「とにかく遅延を減らしたい」場合のみ有効 |
| — | Radeon Enhanced Sync | 無効。相性問題の報告があり、FreeSyncがあれば不要 |
| — | アンチエイリアシング | 「アプリケーション設定を使用」。ゲーム内設定を優先 |
| — | 異方性フィルタリング | 「アプリケーション設定を使用」。ゲーム内設定を優先 |
| — | テクスチャフィルタリング品質 | 「標準」または「パフォーマンス」。見た目の差はほぼ分からない |
| — | サーフェスフォーマット最適化 | 有効。画質への影響がほぼないままわずかに軽くなる |
| — | テッセレーションモード | 「AMD最適化」(既定)のまま |
| — | GPUスケーリング | 無効。有効にすると遅延が増える場合がある |
| — | Virtual Super Resolution | 無効。高解像度で描画して縮小表示する機能で、通常のゲーム用途では不要 |
「グラフィックス」画面の上部にあるプロファイル(HYPR-RX/バランス/省電力など)を選ぶと、これらが一括で切り替わります。HYPR-RXについては後述のFSRの章で解説します。
Radeon Anti-LagとRadeon Boostの使い分け
| Radeon Anti-Lag | Radeon Boost | |
|---|---|---|
| 仕組み | 処理タイミングの最適化 | 動作中だけ解像度を下げる |
| 対応ゲーム | ほぼすべて | 対応タイトルのみ |
| 画質への影響 | なし | 視点移動中に低下 |
| おすすめ | 常時有効 | 競技系で試して合えば |
まとめると、Anti-Lagは全員有効、Boostは「対応ゲームで1秒でも速く反応したい競技勢」だけが試す、という使い分けです。どちらも操作の遅延を減らす機能なので混同されがちですが、仕組みがまったく違います。
Radeon Anti-Lag:基本つけっぱなしでOK

Anti-LagはCPUとGPUの処理タイミングを調整して、クリックや視点移動が画面に反映されるまでの時間を縮める機能です。ドライバ側で動作するためほぼすべてのゲームで機能し、画質への影響もありません。有効にして困ることがほとんどないので、常時オンをおすすめします。
さらに、Counter-Strike 2やDota 2など一部の対応タイトルでは、ゲーム内に直接組み込まれた強化版のRadeon Anti-Lag 2が使えます。対応ゲームをプレイしている場合は、ゲームごとのプロファイルからAnti-Lag 2を有効にしましょう。通常版より大きく遅延を削減できます。
Radeon Boost:仕組みを理解した上で
Radeon Boostは、マウスを素早く動かした瞬間だけレンダリング解像度を一時的に下げて、FPSと応答性を稼ぐ機能です。動いている間は多少画質が落ちても気づきにくいという人間の目の特性を利用しています。理屈はうまいのですが、対応タイトルが限られるうえ、視点を振るたびに画面が一瞬ぼやけるのが気になる人も多い機能です。
FSRの設定方法:ゲーム内FSRとRSRの違い
FSRFidelityFX Super Resolution)は、低い解像度で描画した映像を引き伸ばして、画質の低下を抑えながらFPSを稼ぐアップスケーリング技術です。NVIDIAのDLSSに相当します。仕組みの詳細はアップスケーリング技術の解説記事に譲り、ここではどう設定すればいいかだけ整理します。
基本はゲーム内のFSR設定を使う
FSRはゲーム側に組み込まれる技術なので、対応ゲームならグラフィックス設定内に「FSR」の項目があります。まずはこれを「クオリティ」で有効にするのが基本です。2026年時点のFSRはバージョンによって画質がかなり違います。
| バージョン | 特徴 | 利用できるGPU |
|---|---|---|
| FSR 1〜2 | 初期の方式。画質面では見劣りする | ほぼすべてのGPU |
| FSR 3 | フレーム生成に対応 | ほぼすべてのGPU(推奨はRX 5000以降) |
| FSR 4/4.1 | AIを使った最新方式。画質が大幅に向上 | RX 9000シリーズ(4.1からRX 7000シリーズにも拡大) |
RX 9000シリーズ、およびRX 7000シリーズの対応タイトルでは、ドライバ側の機能でFSR 3.1対応ゲームをFSR 4系にアップグレードできる場合があります。対象の方はゲームプロファイルの「AMD FSR 4」トグルを確認してみてください。
FSR非対応ゲームにはRSR
Radeon Super Resolution(RSR)は、同じアップスケーリングをドライバ側で行う機能です。ゲームがFSRに対応していなくても使えるのが利点で、使い方は「グラフィックス設定でRSRを有効→ゲーム内の解像度をモニターより1段低く設定(例:フルHDモニターなら1600×900)」だけです。注意点として、画質はゲーム内FSRに劣るので、優先順位はゲーム内FSR→なければRSRと覚えてください。
迷ったらHYPR-RXという手も
Radeon RX 7000シリーズ以降なら、プロファイルで「HYPR-RX」を選ぶだけでAnti-Lag・Boost・RSR・AFMFがワンクリックでまとめて有効になります。細かい設定を考えたくない方はこれで一括設定し、気になる項目だけ個別にオフにしていく使い方が手軽です。
AFMF 2.1(フレーム生成)の注意点

AMD Fluid Motion Frames 2.1は、フレームとフレームの間にAIが生成した補間フレームを挟んでFPSを倍近くまで引き上げる、ドライバ側のフレーム生成機能です。Radeon RX 6000シリーズ以降で使えます。RX 6000は全画面表示のみとなります。ここでいう全画面表示は、いわゆる排他的フルスクリーン(Exclusive Fullscreen)のことです。
枠なしウィンドウを画面いっぱいに広げるボーダーレスウィンドウは別扱いで、Radeon RX 6000シリーズではボーダーレスだとAFMFが動作しません。設定をオンにしてもオーバーレイ上は非アクティブのままになるため、効いていないと感じたらまずゲーム側の表示モードを確認してください。Radeon RX 7000シリーズ以降であればボーダーレスウィンドウでも動作します。強力な機能ですが、快適に使うには条件があります。
- 元のFPSが60前後は出ているゲームで使う(元が30だと遅延と違和感が大きい)
- VSync(垂直同期)はドライバ側・ゲーム内とも必ずオフにする
- 生成されたフレームは操作に反応しないため、対戦FPSなど遅延がシビアなゲームには不向き
サイバーパンク2077のような重いシングルプレイゲームを高リフレッシュレートでぬるぬる楽しむのがAFMFの得意分野です。なお、Steamのオーバーレイなど一部のFPSカウンターはAFMFで増えた分を計測できないので、効果の確認はAdrenalinのパフォーマンスオーバーレイ(Ctrl+Shift+O)で行ってください。
画質重視・FPS重視のおすすめプリセット
ここまでの内容を、プレイスタイル別に3パターンへまとめました。列ごとに上から設定していけば完成します。
| 設定項目 | FPS最優先 (競技系) |
バランス (迷ったらこれ) |
画質・映像美重視 |
|---|---|---|---|
| Radeon Anti-Lag | 有効 (対応ゲームはAnti-Lag 2) |
有効 | 有効 |
| Radeon Image Sharpening | 有効(50〜80%) | 有効(80%) | 好みで(0〜80%) |
| ゲーム内FSR | パフォーマンス〜バランス | クオリティ | ネイティブ/クオリティ |
| AFMF 2.1 | 無効 | 重いゲームのみ有効 | 有効 |
| Radeon Boost | 対応ゲームで試す | 無効 | 無効 |
| Radeon Chill | 無効 | 無効 | 無効 (静音重視なら有効) |
| テクスチャフィルタリング品質 | パフォーマンス | 標準 | 高品質 |
| AMD FreeSync | 有効 | 有効 | 有効 |
競技系の考え方は「遅延を増やす要素(AFMF・VSync)を全部切り、FPSを最大化する」、映像美重視は「FSRクオリティ+AFMFでFPSを確保しつつ画質を守る」です。
敵の視認性を上げたい方へ:カスタムカラー設定

NVIDIA版の記事で人気だったデジタルバイブランスに相当する設定は、Adrenalinにもあります。「設定」→「ディスプレイ」→「カラー」(カスタムカラー)を有効にし、彩度を上げると色味が濃くなり、背景に紛れた敵が視認しやすくなります。既定値100に対して130〜150あたりから試すのがおすすめです。上げすぎると目が疲れやすくなるので、長時間プレイする方はほどほどにしましょう。ゲームだけでなくデスクトップ全体の色が変わる点も覚えておいてください。
設定が反映されない・調子が悪い時の対処法
設定を変えたのに効果が感じられない場合は、上から順に確認してみてください。
- ゲームを再起動する(起動中のゲームには反映されないことがある)
- 「ゲーミング」タブのゲームごとのプロファイルが、全体設定を上書きしていないか確認する
- ゲーム内設定とドライバ設定が競合していないか確認する(特にVSyncとシャープネス)
- Adrenalin右上の「設定」→「システム」からドライバが最新か確認する
- それでも直らなければ、ドライバの残骸が悪さをしている可能性があるため、DDUを使ったクリーンインストールを行う
クリーンインストールの手順はGPUドライバの正しい入れ方とクリーンインストール手順で画像付きで解説しています。設定以外の不調(フリーズ・起動しないなど)はパソコン不具合の逆引き辞典も参考にしてください。
よくある質問
Q. 設定を全部リセットして最初からやり直したい
Adrenalinの「設定」→「システム」→「工場出荷時設定にリセット」で、ドライバ設定を初期状態に戻せます。設定をいじりすぎて訳が分からなくなった時の最終手段として覚えておくと安心です。
Q. 古いRadeon(RX 500シリーズなど)でも同じ設定でいい?
Radeon RX 500シリーズやVega世代は最新のAdrenalinの対象外で、機能が古いバージョンで止まっています。Anti-LagやImage Sharpeningなど使える項目の考え方は同じですが、AFMFやFSR 4は利用できません。世代ごとに使える機能が異なる点は理解しておきましょう。
Q. RyzenのCPU内蔵グラフィックスでも使える?
使えます。Ryzen Radeon搭載のRyzen(APU)でも同じAdrenalinで設定可能です。Ryzen AI Max+ 395などが該当します。内蔵グラフィックスは性能に限りがあるため、RSRやFSRを積極的に使ってフレームレートを確保する方向の設定がおすすめです。
Q. ゲーム録画や配信もAdrenalinでできる?
できます。Alt+Rで開くオーバーレイから録画・リプレイ保存(インスタントリプレイ相当)・配信が利用できます。NVIDIAのShadowPlayに相当する機能もひと通り揃っています。
まとめ
Adrenalinの設定は項目こそ多いものの、必ず触るべきなのはAnti-Lag・Image Sharpening・FreeSyncの3つ、あとはゲームに応じてFSRとAFMFを使い分けるだけです。今回の一覧表をベースに、実際にプレイしながら自分のスタイルに合う設定を見つけてみてください。
アドパソでは、動作検証済みの中古ゲーミングPCをRadeon搭載モデルも含めて多数取り扱っています。「今のPCでは設定を詰めてもfpsが足りない」と感じたら、中古ゲーミングPC一覧ものぞいてみてください。グラフィックボードの性能差はグラフィックボード性能比較表【2026年版】で確認できます。


