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メモリ・SSD高騰で新品PCが高い今、中古ゲーミングPCが狙い目な理由【2026年秋】

2026年9月になりましたが、PCパーツの値上がりは落ち着く気配がありません。前回の記事「PCパーツ高騰はいつまで続く?」では、メモリ・SSD・グラボが同時に高騰している原因を整理しました。今回はその続きとして、では今、ゲーミングPCが欲しい人はどうすればいいのかという疑問にお答えします。

新品のゲーミングPCは1年前と比べて3〜10万円ほど高くなっており、その値上がり分の大半はメモリとSSDによるものです。最近はグラフィックボードの値上がりも本体価格に効き始めています。中古ゲーミングPCも高騰と無縁ではありませんが、新品と比べると上昇は緩やかです。その結果、同じくらいの性能で比べたときの新品と中古の価格差は、この1年でむしろ広がっています。

なぜそうなるのか、そして中古を選ぶなら何を見るべきかを、当店の実際の販売価格も出しながら解説していきます。

2026年のPCパーツ価格はどうなっているか

まず現状のおさらいです。細かい原因は前回の記事に譲りますが、要点はひとつ。メモリメーカーがAIデータセンター向けの生産を優先した結果、一般向けのメモリ(DRAM)とSSD(NANDフラッシュ)の供給が細り、価格が跳ね上がりました。

当店で追いかけている店頭価格の推移は次のとおりです。

パーツ 2025年10月頃 2026年8月頃 上昇率
DDR5-6400 32GB(16GB×2) 約18,000円 約68,000円 約3.8倍
NVMe SSD 1TB 約11,000円 約22,000〜32,000円 約2〜3倍
GeForce RTX 5060(新品単体) 約6万円台 約8万円台 約1.3倍

※当店調べ。SSDは製品・時期で振れ幅が大きいため範囲で記載しています。

メモリは一時10万円に達したあと少し落ち着きましたが、それでも1年前の4倍近い水準で高止まりしています。DDR5だけでなく、中古PCで主流のDDR4もつられて値上がりしているのが厄介なところです。

調査会社TrendForceの見通しでも、2026年7〜9月期の契約価格はDRAMが前期比13〜18%、NANDが10〜15%の上昇と予測されています。上昇ペースこそ鈍ってきましたが、下がるとは誰も言っていない。それが2026年秋の現実です。

さらに8月に入ってからは、グラボの国内代理店が卸価格を1.2〜1.4倍に改定し、RTX 5060の単体価格が8万円台、RTX 5070が15万円台まで上がりました。グラボに載っているVRAMもメモリですから、これも同じ高騰の延長線上にあります。

新品BTOの値上がり幅

パーツが上がれば、それを組み合わせて売る新品BTOパソコンも当然上がります。メモリ・SSD・グラフィックボードの値上がりが、そのまま本体価格に乗ってくるからです。わかりやすい例として、RTX 5060を搭載したエントリー〜ミドルクラスのBTOを、発売当初と今で比べてみます。

時期 構成の例 価格
2025年5月 Ryzen 7 5700X / RTX 5060 / 16GB / 500GB 139,800円
2026年5月 Ryzen 7 5700X / RTX 5060 / 16GB / 500GB 209,980円
2026年8月末 Ryzen 7 5700X / RTX 5060 / 16GB / 500GB 169,980円

※各社の公開価格・報道をもとに当店が整理。同じRTX 5060クラスのゲーミングPCの例です。

注目してほしいのは真ん中の行です。2026年春には、RTX 5060搭載機の通常価格が20万円台まで上がりました。8月末のセールで16万円台まで下がった機種もありますが、2025年5月の価格に戻ることはなさそうです。

業界全体で見ても、2026年1〜6月の国内PC平均出荷単価は前年同期比で10.7%上がったという集計が出ています。ゲーミングPCに限れば、エントリーが10万円→15万円前後、ミドルが15万円→20万円前後と、それぞれ1段ずつ上がった印象です。

特に痛いのが、5万〜10万円の新品ゲーミングPCが事実上なくなったことです。以前はこの価格帯にGTX 1650やRTX 3050 6GBクラスの入門機がありましたが、今は同じ予算だとグラボなしのPCしか買えません。

中古PCの価格が新品ほど上がらない理由

では中古はどうかというと、当店の販売価格はこの1年で大きくは動いていません。理由は大きく3つあります。

理由1:値段の決まり方がそもそも違う

新品の価格は、今この瞬間のパーツの仕入れ値で決まります。一方で中古の価格は、そのPCが何年前のどのグレードか、つまり世代と経年による値落ちで決まります。

たとえばRTX 2070搭載機は、2019年に20万円前後で売られていたものが、今は7万円台です。この7万円台という数字は、RTX 2070というグラボが今の基準でどのくらいの性能かで決まっていて、今日のDDR4メモリの店頭価格とはほぼ無関係です。

理由2:メモリもSSDもすでに載っている

中古PCは、高騰する前に組み込まれたメモリとSSDをそのまま積んでいます。16GBのメモリ、500GB〜1TBのSSDが最初から入っているので、買う側が今の高い相場でメモリやSSDを買い足す必要がありません。

これは地味ですが大きな差です。いま自作や新品BTOで16GBを32GBにカスタマイズすると、以前なら数千円だった追加料金が、機種によっては3〜6万円になっています。中古なら、その分の値上がりを最初から回避できるわけです。

理由3:中古の主流はDDR4世代

当店で扱う中古ゲーミングPCの大半は、第8〜13世代のCore iやRyzen 5000番台までの、DDR4メモリを使う世代です。DDR4も値上がりはしていますが、今回の高騰の中心は、AIデータセンター向けと同じ生産ラインを取り合っているDDR5です。DDR4は生産終了に向けた在庫が市場に残っている分、DDR5ほど極端には上がっていません。

ただし、正直に言うと中古がまったく無風というわけではありません。新品の値上がりで「型落ちで十分」と考える人が増え、RTX 3060クラスなど人気の旧世代GPUは中古相場もじわりと上がっています。「中古は据え置き」というより「新品ほどは上がっていないので、差が開いている」というのが正確な表現です。

同スペックで新品と中古を価格比較

言葉だけだとわかりにくいので、当店に実際に並んでいる中古ゲーミングPC(2026年8月末時点)と、それに近い性能の新品BTOを並べてみます。

性能クラス 中古(当店の販売価格) 近い性能の新品BTO 差額の目安
フルHD最高設定〜WQHD Core i5-13400F × RTX 4060:129,980円 RTX 5060搭載機:通常20万円前後、セール時16万円台 新品セール時で約3万円、通常価格なら約7〜8万円中古が安い
フルHD高設定 Core i7-9700K × RTX 2070:74,980円 RTX 3050〜RTX 5050搭載機:13〜16万円 約6〜8万円
フルHD中設定・軽いゲーム Core i5-12400F × RTX 3050 8GB:89,980円 同上 約4〜7万円
入門(フォートナイト・Valorant・マイクラ) Core i5-8400 × GTX 1650 SUPER:44,980円 該当する新品なし(グラボ搭載機は最安でも12万円前後) 約7万円
超入門 Core i5-8400 × GTX 1060 3GB:29,980円 該当する新品なし

※中古はいずれも当店の税込価格。新品はセール・クーポンで変動するため、幅を持たせています。性能クラスは店長の体感ベースで、厳密に同じ性能ではありません。

こうして並べると、5〜10万円の予算では、そもそも中古しか選択肢がないことがわかると思います。この価格帯は以前なら新品の入門機が買えたゾーンで、1年前と比べていちばん中古が狙い目になった価格帯です。

15万円前後の予算になると、新品のセール品と中古のRTX 4060機が競合してきます。ここは、後述する「新品を選ぶべきケース」に当てはまるなら新品、当てはまらなければ中古で数万円浮かせてモニターや周辺機器に回す、という判断になります。ゲーミングPC一式の予算感は「ゲーミングPCの相場」の記事も参考にしてください。

それでも新品を選ぶべきケース

中古ショップの記事ですが、全員に中古を勧めるつもりはありません。次のどれかに当てはまる人は、高くても新品を選んだほうが後悔しないと思います。

最新ゲームを高画質・高フレームレートで遊びたい人。 RTX 5070以上のグラボは中古市場にほとんど出回っておらず、出てきても新品とあまり変わらない値段です。WQHD〜4Kで最新タイトルを最高設定で、という目的なら新品一択です。

32GB以上のメモリが仕事で必須の人。 動画編集や配信を本格的にやるなら32GBは欲しいところですが、中古で32GB搭載機は数が少なく、あとから増設すると今は高くつきます。最初から32GBで組める新品のほうが、結果的に安いこともあります。

3年保証など長期の安心を優先したい人。 当店の中古PCにも保証は付けていますが、メーカー新品の3年保証や有償延長保証にはかないません。壊れたら困る、でも自分では直せないという人は、保証にお金を払う価値があります。

DDR5世代のプラットフォームが欲しい人。 「あと5年使い倒す」「将来CPUだけ載せ替えたい」という考え方なら、AM5やLGA1851の新品を選ぶほうが拡張性は上です。ただし今はそのDDR5が高いので、これは割り切りの問題です。

逆に言えば、フルHDで人気タイトルを快適に遊びたい、予算は10万円前後、初めてのゲーミングPC、という人にとっては、2026年秋の中古ゲーミングPCは過去数年でもっとも相対的にお得な状態にあります。

中古を選ぶなら見るべき3点

最後に、今の相場環境だからこそ気をつけたい確認ポイントを3つに絞ります。中古PC全般の選び方は「中古ゲーミングPCの正しい選び方」にまとめているので、ここでは2026年秋ならではの視点を取り上げます。

1. メモリは最初から16GBを選ぶ

以前は8GBの安い個体を買って、あとで16GBに増設が定番のコスパ技でした。この技は今、使えません。増設用のDDR4メモリが8GB×2で1万円を超える状況では、増設前提で買うより、最初から16GB積んでいる個体を選んだほうが総額で安くなります。商品ページのメモリ欄を必ず確認してください。

2. SSDは500GB以上

最近のゲームは1本で100GBを超えるものが珍しくありません。256GBのSSDだと、Windowsと2〜3本のゲームで埋まります。ここも以前ならあとから1TBを1万円で足せばいいと言えましたが、今は1TBが2〜3万円です。SSDの容量も、買う前に確保しておくべき項目に変わりました。まずは500GBあれば十分。予算に余裕があれば1TB搭載モデルを検討してください。

3. グラボの世代とVRAM容量

中古で価格差がいちばん大きく出るのがグラボです。目安として、フルHDで最近のゲームを遊ぶならVRAM 8GB以上(RTX 3050 8GB、RTX 2070、RTX 3060、RTX 4060など)、Valorantやフォートナイト、マインクラフトが中心ならGTX 1650 SUPER〜GTX 1660クラスでも十分です。逆にVRAM 3〜4GBのグラボは、価格は安いですが最新タイトルでは設定を落とす前提になります。「人気のCPUとGPUの組み合わせ」も合わせて参考にしてください。

このほか、ショップで買うなら動作保証の有無とランク表記、フリマで買うなら電源ユニットの状態と清掃歴も見ておくと失敗が減ります。

よくある質問

Q. メモリの高騰はいつまで続きますか? 待ったほうがいいですか?

A. 各調査会社の見通しでは、DRAMは2027年も需給が厳しく、NANDも供給が緩むのは早くて2027年後半とされています。少なくとも、年末セールまで待てば1年前の値段に戻る、ということは期待できません。詳しくは「ゲーミングPCの買い時」の記事でも触れていますが、今年は待てば安くなるが通用しない年です。

Q. 中古PCの値段も今後上がりますか?

A. 新品の値上がりで型落ちPCの需要が増えているため、人気機種はじわじわ上がる可能性があります。ただ、新品のように仕入れ値の上昇がそのまま乗る構造ではないので、上がり方は緩やかです。中古は同じ個体が二度と入ってこない一期一会ですから、条件に合うものがあれば早めに動くことをおすすめします。

Q. 中古PCを買って、あとからメモリやSSDを足すのはアリですか?

A. 増設自体はもちろん可能ですが、今は増設パーツが高いので、最初から積んでいる個体を選ぶほうが総額で安くなるケースがほとんどです。増設は相場が落ち着いてから、と考えたほうがいいでしょう。

Q. Windows 10のサポート終了と重なっていますが、中古PCは大丈夫ですか?

A. 当店の中古ゲーミングPCはWindows 11搭載モデルが中心です。第8世代Core i以降ならWindows 11に正式対応しているので、Windows 10の拡張セキュリティ更新(ESU)が2026年10月に終わるのに合わせた買い替え先としても問題ありません。

おわりに:2026年秋は中古が相対的にいちばん安いタイミング

まとめると、2026年秋の状況はこうです。

新品ゲーミングPCはメモリ・SSDの高騰でエントリーが15万円前後、ミドルが20万円前後まで上がり、5〜10万円の新品入門機は姿を消しました。一方で中古ゲーミングPCは世代と経年で値段が決まるため、同じくらいの性能で比べたときの価格差は1年前より広がっています。そしてこの状況は、少なくとも2027年までは大きく変わらない見通しです。

最新ゲームを最高設定で遊びたい、32GBが仕事で必要、長期保証が欲しい、という人は新品を選びましょう。それ以外の、フルHDで人気タイトルを快適に遊びたい人にとっては、いまが中古ゲーミングPCをもっとも検討しやすいタイミングです。

当店では3万円台から15万円弱まで、動作確認・清掃済みの中古ゲーミングPCを揃えています。メモリ16GB・SSD 500GB以上の個体も多く並んでいますので、まずは在庫をのぞいてみてください。

出典・参考資料

  1. メモリ価格の上昇、鈍化へ 26年3QはDRAMもNANDも10%台:TrendForce調べ」(EE Times Japan, 2026)2026年7月7日
  2. 27年メモリ市場 DRAMは逼迫継続、NANDは供給緩和へ:TrendForce予測」(EE Times Japan, 2026)2026年8月5日
  3. Windows 10 の拡張セキュリティ更新プログラム (ESU)」(Microsoft, 2026)個人向けESUの提供終了日 2026年10月13日

価格はいずれも記事執筆時点(2026年8月末〜9月上旬)の情報です。最新の価格は各リンク先でご確認ください。

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