「お使いのPCはWindows 11の要件を満たしていません」と表示された古いPCをお持ちの方が、今のパソコンを延命して使い続けるか、思い切って買い替えるかを決める手助けをします。それぞれの方法にかかる実際の費用を計算しますので感覚ではなく経済性で比較可能です。
延命の費用は無料~3,500円程度と安く、1年強の猶予を稼ぐ手段としては優秀です。ただし、延命には2027年10月12日という明確な期限があり、3年スパンで見ると多くの人にとって買い替えの方が合理的になります。順番に見ていきましょう。Windows 10のサポート状況そのものを知りたい方は、先にWindows 10サポート終了はどうなったのかをご覧ください。
Windows 11非対応と表示が出る主な理由
| 理由 | 内容 | 対処できるか |
|---|---|---|
| CPUの世代が古い | Intelは第8世代Core以降、AMDはRyzen 2000シリーズ以降が対象の目安。それより古いと非対応。※Ryzen 5 2400Gなど末尾GのAPUは2000番台でも1世代前の設計のため非対応 | CPU交換はマザーボードごと交換になりがちで、実質買い替えに近い |
| TPM 2.0が無効/非搭載 | セキュリティチップの要件。実は搭載されているのにBIOSで無効になっているだけのケースが多い | BIOS設定で有効化できる場合あり(無料) |
| セキュアブートが無効 | 起動時のセキュリティ機能。こちらもBIOSの設定で解決することがある | BIOS設定で有効化できる場合あり(無料) |
まず、なぜ非対応と判定されるのかを整理します。理由はほぼ上記3つに集約されます。重要なのは、TPMとセキュアブートが理由なら無料で解決できる可能性があるという点です。第8世代以降のCPUを積んでいるのに非対応と出る場合は、まずBIOS設定を確認してみてください。一方、CPU世代が理由の場合は、そのPCをWindows 11対応にする現実的な方法はありません。この記事の比較が意味を持つのは主にこのケースです。
自分のCPUがどの世代かはWindows 11にアップグレードできるCPU世代の解説で確認できます。Intel環境でマザーボードやソケットとの関係まで知りたい方はIntelのCPUとマザーボードの対応表も参考にしてください。
延命した場合にかかるコスト
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| ESU登録 (2027年10月まで) |
0円〜3,500円前後 | 無料で登録する方法が2つあり、有料でも30米ドル。登録手順は姉妹記事を参照 |
| 経年故障の修理費 | 0円〜2万円程度 | 非対応PCは製造から8年以上が多く、電源・ストレージ・ファンの故障率が上がる時期 |
| 2027年10月以降 | 買い替え費用が発生 | 個人向けESUの再延長は現時点で発表なし。期限後の継続使用はセキュリティ更新なしの状態になる |
延命の柱は、Microsoftが提供する個人向けESU(拡張セキュリティ更新プログラム)です。2026年6月の発表で期限が1年延長され、2027年10月12日までセキュリティ更新を受け取れます。かかる費用は上記の通りです。金額だけ見れば延命は圧倒的に安く済みます。
注意点として、見落としがちなコストが2つあります。1つはあくまで時間の借金であることです。延命しても期限が来れば結局買い替えるので、支払いが1年先送りになるだけです。もう1つは性能がそのままである点です。今カクついているゲームは延命後もカクついたままで、新作の要求スペックは上がり続けます。
買い替えた場合のコスト
| 選択肢 | 費用の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 中古ゲーミングPC (エントリー) |
3万〜5万円 | フルHDで人気タイトルを普通に遊びたい人。Windows 11搭載済みで届く |
| 中古ゲーミングPC (ミドル) |
5万〜10万円 | 重めのゲームや144Hzでの対戦ゲームも視野に入れたい人 |
| 新品BTOゲーミングPC | 15万円前後〜 | 最新世代を長く使いたい人。ただし2026年は高騰の影響が直撃中 |
次に買い替え側です。2026年はメモリ・SSDの価格高騰で新品PCが値上がりしており、選択肢ごとの価格差が例年より大きくなっています。買い替えには費用以外のリターンもあります。OS問題の解決と同時に性能が上がること、保証が新しく付くこと、そして古いPCを売却すれば実質負担を数千〜数万円減らせることです。
3年で見た総額比較表
| プラン | 3年総額の目安 | 3年間の状態 |
|---|---|---|
| A. 延命だけで粘る | 0円〜3,500円 | 2027年10月までは現状維持。以降はセキュリティ更新なしの状態で、常用はおすすめできない |
| B. 延命→期限までに中古へ買い替え | 約4万〜10万円 | 1年強は今の性能のまま。2027年秋以降はWindows 11+性能向上。買い替え時期の相場リスクあり |
| C. 今すぐ中古に買い替え | 約3万〜10万円 (旧PC売却でさらに圧縮可) |
3年間ずっとWindows 11+性能向上した状態で使える。総額はBとほぼ同じ |
| D. 今すぐ新品に買い替え | 15万円前後〜 | 3年間最新環境。ただし、高騰期の購入となり割高感は否めない |
ここが本題です。今(2026年秋)を起点に、3年後の2029年秋までの総額とPCの状態を比較します。注目してほしいのはBとCの比較です。総額はほとんど変わらないのに、快適に使える期間はCの方が1年以上長くなります。延命してから買い替えるプランは、支払いを先送りしているだけで、トータルでは得をしていないわけです。
さらに期限直前の2027年夏〜秋は買い替え需要が集中し、中古の相場が上がり在庫が薄くなる可能性が高いことも考えると、買い替えるつもりがあるなら早い方が条件は良い、というのが金額から見えてくる結論です。
逆にAが合理的なケースもあります。それはゲームはもうほとんど遊ばず、2027年までにPC自体を使わなくなる予定の場合です。延命は撤退戦としては最良の選択肢です。
用途別の判断フローチャート
最後に、用途別にどのプランを選ぶべきかをまとめます。上から順に、当てはまったところで止まってください。
- PCの用途はネットと書類作成が中心で、ゲームはほぼ遊ばない→プランA(延命)。期限が来たら格安の中古PCへ
- 今遊んでいるゲームを今の画質のまま続けられれば十分→プランAまたはB。無料でESU登録し、2027年10月までに買い替え先を吟味
- 新作も遊びたい、あるいは今すでにFPSや読み込みに不満がある→プランC(今すぐ中古へ買い替え)。OS問題と性能不満が一度に解決
- 配信や動画編集もしたい、最新世代を5年以上使い倒したい→プランD(新品)または10万円クラスの上位中古
迷ったらプランCを基準に考えるのがおすすめです。3年総額が延命コースとほぼ同じで、得られる体験が最も大きいためです。
よくある質問
Q. 要件回避ツールでWindows 11を入れれば買い替え不要では?
方法は存在しますが、Microsoftのサポート対象外で更新プログラムが届かなくなるリスクがあり、常用PCにはおすすめしません。セキュリティ更新を受けるための延命なのに、その更新が保証されないのでは本末転倒だからです。
Q. 延命中にやっておくべきことは?
データのバックアップ体制づくりと、買い替え先の情報収集です。特に古いPCはストレージの寿命も近づいているので、ゲームのセーブデータや写真は今のうちにクラウドや外付けドライブへ。買い替え先の性能比較はグラフィックボード性能比較表【2026年版】が参考になります。
Q. 中古PCの状態が不安。何を確認すればいい?
個人売買では動作確認や保証がないケースが多いため、初めての方は動作検証と保証のあるショップでの購入をおすすめします。アドパソの商品は動作検証済み・保証付きで、Windows 11をセットアップした状態でお届けしています。
まとめ
Windows 11非対応のPCは、無料〜3,500円で2027年10月12日まで延命できます。ただし、3年スパンの総額で見ると、延命してから買い替えるプランと今すぐ中古に買い替えるプランの費用はほぼ同じで、快適に使える期間だけが変わります。いつかは買い替えると思っているなら、中古相場が落ち着いていて在庫も選べる今のうちに動く方が、同じお金でより良い体験が手に入ります。
アドパソでは5万円以下で買えるWindows 11搭載の中古ゲーミングPCも取り扱っています。まずは5万円以下の中古ゲーミングPC一覧で、延命コストと比べてみてください。


