ゲーミングPCに搭載するのにおすすめのCPUと選び方について紹介していきます。コスト度外視なら選ぶのは簡単ですが、誰にでも予算は合って妥協も必要になるでしょう。ゲーミングPCの購入あるいは自作PCの組み立てでどのCPUを選べばいいのか悩んでいる方は参考にしてくださいね。ゲームだけではなく動画編集・ゲーム実況・ゲーム開発などの用途も考慮するならマルチコア性能を重視したいところです。CPU性能比較表【2025年版】と合わせて読み進めていただければと思います。
ゲーム向けCPUの選び方
CPUを選ぶ上で下記の項目順に沿って絞り込んでいくと最適なモデルが見つかると思います。時間を掛けてあなたに合うCPUを探してくださいね。
予算
価格帯 | Intel(Core Ultra) | Intel(第14世代Core ) | AMD(Ryzen) |
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10万円~ | Core i9-14900KS(115,430円) | Ryzen 9 9950X3D(115,500円) Ryzen 9 9900X3D(104,340円) |
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9万円~ | Core Ultra 9 285K(99,430円) | ||
8万円~ | Ryzen 9 9950X(88,700円) Ryzen 7 9800X3D(84,770円) |
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7万円~ | Core i9-14900KF(73,810円) | Ryzen 9 9900X(70,785円) | |
6万円~ | Ryzen 7 7800X3D(61,680円) | ||
5万円~ | Core Ultra 7 265F(55,620円) Core Ultra 5 245K(52,540円) |
Core i7-14700K(56,550円) Core i7-14700(50,980円) |
Ryzen 7 9700X(54,792円) |
4万円~ | Core Ultra 7 265KF(49,800円) Core Ultra 5 235(44,660円) |
Core i7-14700F(49,797円) Core i7-14700KF(49,780円) Core i5-14500(40,430円) |
Ryzen 5 9600X(41,980円) Ryzen 7 7700(40,980円) |
3万円~ | Core i5-14600KF(30,980円) | Ryzen 5 9600(38,740円) | |
2万円~ | Core Ultra 5 225(29,500円) | Ryzen 7 5700X(24,800円) | |
1万円~ | Core i5-14400F(19,980円) Core i3-14100F(13,310円) |
Ryzen 5 5500(14,800円) | |
0.5万円~ | Ryzen 5 4500(9,980円) |
Intel製CPUについては現行のCore Ultraシリーズ2と1世代前のIntel第14世代Core iシリーズを分けています。ゲーム性能はIntel第14世代の方が高いです。下位グレードに当たる無印モデル(Core Ultra 7 265Fなど)の方が高く設定されていることもあります。CPUにどのぐらいの予算を掛けられるのかを考えてください。価格によっておおよそのグレードが変わります。ゲーム用途で考えるなら最低でも15,000円程度の予算が必要です。ここに記載はありませんが、Pentiumなどの廉価モデルは不向きです。Core i3-14100F以上を選ぶべきです。予算が許すのであれば6コア or 8コアが好ましい(Core i3は4コア)です。
メーカー
IntelかAMDのいずれかのメーカーを決める必要があります。Intel第14世代Core iシリーズは、ゲーム性能とマルチコア性能のバランスがよいこととアプリケーションでの安定性が高いことから人気があります。2つのコアを組み合わせたハイブリッドコアアーキテクチャが強力で特定の用途に限らず幅広く使用したい方に最適です。アーキテクチャをそこまで変えずにクロック周波数を引き上げていることもあって消費電力はやや高めです。
現行のCore Ultraシリーズ2はゲーム適性がやや低いです。思ったほどフレームレートが伸びないことがあります。特にハイクラス以上のモデルで顕著です。Intelはおおよそ2世代周期でマザーボードのチップセットが変わるのはデメリットといえるかもしれません。
一方で、AMD製はゲーム性能を極めた3D V-Cache搭載モデルがあったり、エントリークラスからハイエンドクラスまでラインナップが豊富だったりと人気があります。特に自作PCユーザー向けです。Ryzen 7000シリーズ以降AM5ソケットがしばらく維持されることが考えられることからマザーボードを流用しやすいのもメリットです。一度購入すればBIOSのアップデートを行うことで長く使い続けることができます。省電力性の高さも特徴と言えます。旧世代のRyzen 5000シリーズまではAM4ソケットとなります。
グラフィックボードとのバランス
CPUを選ぶ上でグラフィックボード(GPU)とのバランスを考えることも重要です。いくらグラフィックボードの性能が高くてもCPUの性能が低いとパフォーマンスを最大限に引き出せません。ハイエンドのGeForce RTX 5090を搭載しているゲーミングPCのCPUがエントリークラスのCore i3-14100FだとGeForce RTX 5090のパフォーマンスを引き出すことは難しいです。フレームレートが思ったほど伸びず下位モデルに劣ってしまうこともあるぐらいです。同時にミドルクラスのグラフィックボードにCore i9-14900KSやCore i9-14900Kを選ぶ理由は薄いです。ハイエンドのグラフィックボードならハイエンドのCPUを、ミドルクラスのグラフィックボードならミドルクラスのCPUを選択すると良いでしょう。
用途
最後にどういった用途でゲーミングPCを使いたいのかを考えてください。ゲームプレイだけならゲーム特化型のRyzen 9800X3Dがぴったりかもしれません。コストを抑えつつトップクラスのゲーム性能を得られます。旧世代のRyzen 7 7800X3DやRyzen 7 5700X3Dも魅力的です。現行モデルよりも安いのにゲーム性能は引けを取りません。
一方で、動画編集やエンコードなどのクリエイティブ作業を頻繁に行うならCore Ultra 9シリーズやRyzen 9シリーズがおすすめです。2025年3月にはマルチコア性能を重視したRyzen 9 9950X3DやRyzen 9 9900X3Dがリリースされる予定です。ゲーム性能とマルチコア性能の両立が図られています。ただし、ゲームしかしないのにCore Ultra 9シリーズやRyzen 9シリーズを選ぶのは宝の持ち腐れです。CPUに掛けるお金をグラフィックボードに回す方が満足度が高くなると思います。
各CPUのゲーム性能一覧表【2025年最新版】
上記はフォートナイトプレイ時のフレームレートをまとめたものだ。グラフィックボードはGeForce RTX 5090を選択しました。フォートナイトをベンチマークとして選んだ理由は、GPUの負荷が軽くCPUのゲーム性能を把握するのに適していると考えたからです。3D V-Cache搭載モデルが上位を占めています。もちろん、タイトルによってはそこまでパフォーマンスが伸びないこともありますが、平均すればおおよそフォートナイトのフレームレート順に似た形に落ち着きます。
ゲームにおすすめのCPU紹介【2025年最新版】
Ryzen 7 9800X3D
価格/ランク | 84,770円 |
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アーキテクチャ | Zen 5 |
ソケット | AM5 |
コア/スレッド | 8コア/16スレッド |
定格/最大クロック周波数 | 4.7 GHz/5.2 GHz |
キャッシュ(L3/L2) | 96MB+8MB |
TDP(MTP) | 120W(162W) |
性能 | ・ゲーム ★★★★★★★★★★ ・クリエイティブ ★★★★★★☆☆☆☆ |
Ryzen 7 9800X3Dはグレード的にはハイクラス相当ですが、ゲーム性能はトップです。ゲーム性能だけを追求するなら理想的なモデルと言えます。96MBの3D V-Cacheが効いています。キャッシュの搭載位置をCCDの上から下に変更することで従来モデルの弱点だった発熱の問題をクリアしました。CCDとヒートスプレッダーが近接することになり、効率的に熱を排出できます。従来のRyzen 7 7800X3Dと比べてベースクロックが0.5GHz高く、最大ブーストクロックも0.2GHz高くなっています。クリエイティブ用途でもある程度通用するモデルになりました。
Ryzen 5 9600
価格 | 38,740円 |
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アーキテクチャ | Zen 5 |
ソケット | AM5 |
コア/スレッド | 6コア/12スレッド |
定格/最大クロック周波数 | 3.8 GHz/5.2 GHz |
キャッシュ(L3/L2) | 32MB+6MB |
TDP(MTP) | 65W(88W) |
性能 | ・ゲーム ★★★★★★☆☆☆☆ ・クリエイティブ ★★★★★★☆☆☆☆ |
今イチオシのCPUです。Zen 5アーキテクチャのラインナップでもっとも安価なモデルとなっています。上位モデルよりも安いにもかかわらず性能はそこまで変わりません。コストパフォーマンスの高いモデルです。6コア12スレッドとスペック自体は控えめですが、ゲーム性能・マルチコア性能ともにミドルクラスの域を超えそうなレベルです。
Core i5-14400F
価格 | 19,980円 |
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アーキテクチャ | Raptor Lake-R |
ソケット | LGA1700 |
コア/スレッド | 10コア/16スレッド |
定格/最大クロック周波数 | 2.5 GHz/4.7 GHz |
キャッシュ(L3/L2) | 20MB+9.5MB |
TDP(MTP) | 65W(148W) |
性能 | ・ゲーム ★★★★★★☆☆☆☆ ・クリエイティブ ★★★★★☆☆☆☆☆ |
Core i5-14400Fはミドルクラスに属するCPUです。そこそこのゲーム性能とクリエイティブ性能を持ち人気があるモデルとなっています。AMD製Ryzen 9000/Ryzen 7000シリーズと比べてプラットフォームコストが掛からないのも魅力です。ハイブリッドコアアーキテクチャ採用で10コア16スレッドとスペックが高いです。マルチコア性能もミドルクラスとして必要十分です。競合のRyzen 5 9600と比べるとゲーム性能・クリエイティブ性能ともにワンランク落ちます。
Core i7-14700F
価格/ランク | 49,797円 |
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アーキテクチャ | Raptor Lake-R |
ソケット | LGA1700 |
コア/スレッド | 20コア/28スレッド |
定格/最大クロック周波数 | 2.1 GHz/5.4 GHz |
キャッシュ(L3/L2) | 33MB+28MB |
TDP(MTP) | 65W(219W) |
性能 | ・ゲーム ★★★★★★★☆☆☆ ・クリエイティブ ★★★★★★★☆☆☆ |
Core i7-14700Fは、ハイクラスに属するモデルでバランスのよいCPUとなっています。リテールクーラー付きでコスパが高いです。次世代モデルの登場で価格が下がっていますが、性能的にはハイクラス相当と考えて間違いありません。20コア28スレッドと高いスペックを持っています。最大クロック周波数は5.4GHzと高くゲームプレイも得意としています。33MBのL3キャッシュと28MBのL2キャッシュは強力です。MTPは219Wと高めに設定されています。電力制限の解除でCore i7-14700Kと同等のパフォーマンスを期待できます。もちろんその場合はCPUクーラーのアップグレードが必須です。ユーザー次第で運用方法を変えられるのはメリットです。