Ampere世代のエントリーモデルであるGeForce RTX 3050 8GBの性能レビューを行いました。2022年1月27日に発売されたモデルです。すでに次世代のGeForce RTX 50/RTX 40シリーズまでリリースされていますが、50番台のグラフィックボードはGeforce RTX 3050以降発売されていません。VRAM 6GB版と比べても性能が高く優位性があります。GeForce GTX 1660 Ti/GeForce GTX 1660 SUPERと同等の性能を有しています。中古価格がこなれてきていて狙い目といえるでしょう。当ショップでもGeForce RTX 3050 8GB搭載の中古ゲーミングPCの取り扱いがあります。
GeForce RTX 3050 8GBスペック
Turing世代のモデルと比較
RTX 3050 8GB | GTX 1650 | GTX 1660 Ti | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Ampere | Turing | Turing |
GPU | GA106 | TU117 | TU116 |
プロセス | 8nm Samsung | 12nm TSMC | 12nm TSMC |
トランジスタ数 | 120.0億 | 47.0億 | 66.0億 |
ダイサイズ | 276m㎡ | 200m㎡ | 284m㎡ |
ストリーミングプロセッサー | 20 | 14 | 24 |
シェーディングユニット | 2,560 | 896 | 1,536 |
RTコア | 20 | 非搭載 | 非搭載 |
Tensorコア | 80 | 非搭載 | 非搭載 |
ベースクロック | 1552 MHz | 1485 MHz | 1500 MHz |
ブーストクロック | 1777 MHz | 1665 MHz | 1770 MHz |
GPUメモリ | GDDR6 8GB | GDDR5 4GB | GDDR6 6GB |
メモリ速度 | 14.0 Gbps | 8.0 Gbps | 12.0 Gbps |
メモリバス | 128 bit | 128 bit | 192 bit |
メモリ帯域幅 | 224.0 GB/s | 128.1 GB/s | 288.0 GB/s |
L2キャッシュ | 2MB | 1MB | 1.5MB |
出力 | 1x HDMI 2.1 3x DisplayPort 1.4a |
1x DVI 1x HDMI 2.0 1x DisplayPort 1.4a |
1x DVI 1x HDMI 2.0 1x DisplayPort 1.4a |
バスインターフェース | PCIe 4.0 x8 | PCIe 3.0 x16 | PCIe 3.0 x16 |
TDP | 130W | 120W | 75W |
補助電源 | 1x 8-pin | 不要 | 1x 8-pin |
MSRP | $249 | $149 | $279 |
国内価格(中古) | 22,980円 | 10,980円 | 14,980円 |
発売日 | 2022/01/27 | 2019/04/23 | 2019/02/22 |
GeForce RTX 3050 8GBはAmpere世代のエントリーモデルです。GPUは小さめのGA106を搭載しています。製造プロセスはSamsung製8nmです。Turing世代のGeForce GTX 1650ではTSMC製12nmを採用していましたので、今世代になって微細化された形となります。トランジスタ数は73億増えています。ダイサイズも一回り大きく200m㎡から276m㎡です。
GeForce RTX 3050 8GBは20のストリーミングプロセッサーを搭載していてシェーディングユニットは2,560です。GeForce GTX 1650と比べると大増量です。20基のRTコアと80基のTensorコアを搭載しています。これらはGeForce GTX 1650にはなかった新しい機能です。それぞれレイトレーシングとDLSS(アップスケーリング)のためのコアとなっています。
GeForce GTX 1650と比べてベースクロックが67MHz高く、ブーストクロックも112MHz高いです。GPUメモリも規格がGDDR5からGDDR6になり、容量の倍増で8GBです。メモリ速度が8.0 Gbpsから14.0 Gbpsと速くなったことでメモリ帯域幅も128.1 GB/sから224.0 GB/sへと強化されています。モニター出力ではDisplayPortの数が増えていることがわかります。HDMIも規格が2.0から2.1へと変更されました。
バスインターフェースはPCIe 3.0から脱却してPCIe 4.0をサポートしています。TDPは10W増えて130Wです。補助電源は1×8-pinです。MSRPは$100高く$249です。国内価格では12,000円高いです。およそ3年振りの新モデルということになりました。
GeForce GTX 1660 TiはGeForce RTX 3050 8GBと性能の近いモデルとしてテーブルに掲載しました。詳細なスペックの説明は省略します。GeForce GTX 1660 Tiだと8,000円安く購入できますが、レイトレーシングやDLSSをサポートしていません。この8,000円はこれらの新しい機能と発売日が新しいことに対するものだと考えて良いと思います。
Ampere世代のモデルと比較
RTX 3050 8GB | RTX 3050 6GB | RTX 3060 | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Ampere | Ampere | Ampere |
GPU | GA106 | GA107 | GA106 |
プロセス | 8nm Samsung | 8nm Samsung | 8nm Samsung |
トランジスタ数 | 120.0億 | 87.0億 | 120.0億 |
ダイサイズ | 276m㎡ | 200m㎡ | 276m㎡ |
ストリーミングプロセッサー | 20 | 18 | 28 |
シェーディングユニット | 2,560 | 2,304 | 3,584 |
RTコア | 20 | 18 | 28 |
Tensorコア | 80 | 72 | 112 |
ベースクロック | 1552 MHz | 1042 MHz | 1320 MHz |
ブーストクロック | 1777 MHz | 1470 MHz | 1777 MHz |
GPUメモリ | GDDR6 8GB | GDDR6 6GB | GDDR6 12GB |
メモリ速度 | 14.0 Gbps | 14.0 Gbps | 15.0 Gbps |
メモリバス | 128 bit | 96 bit | 192 bit |
メモリ帯域幅 | 224.0 GB/s | 168.0 GB/s | 360.0 GB/s |
L2キャッシュ | 2MB | 2MB | 3MB |
出力 | 1x HDMI 2.1 3x DisplayPort 1.4a |
1x HDMI 2.1 3x DisplayPort 1.4a |
1x HDMI 2.1 3x DisplayPort 1.4a |
バスインターフェース | PCIe 4.0 x8 | PCIe 4.0 x8 | PCIe 4.0 x16 |
TDP | 130W | 70W | 170W |
補助電源 | 1x 8-pin | 不要 | 1×12-pin |
MSRP | $249 | $179 | $329 |
国内価格 | 22,980円 | 23,980円 | 32,980円 |
発売日 | 2022/01/27 | 2024/02/02 | 2021/02/25 |
GeForce RTX 3050 8GBが発売されて遅れること2年、GeForce RTX 3050 6GBが発売されました。VRAMが6GBになっただけではなく、全体的にダウングレードされているので全くの別物となります。GPUは一回り小さなGA107が選択されています。トランジスタ数は33億少なく、ダイサイズも一回り小さい200m㎡です。ストリーミングプロセッサーの数は2基少ないだけで、シェーディングユニットも256基の違いとなります。RTコア及びTensorコアもそれぞれ少ないですね。
クロック周波数は大幅に引き下げられています。ベースクロックは510MHz低く、ブーストクロックも307MHz低いです。それぞれ33%、17%も抑えられています。GPUメモリはGDDR6 6GBと2GB少なくなっています。メモリ速度こそ共通ですが、メモリバスは96 bitでメモリ帯域幅も168.0 GB/sと絞られています。TDPは70Wで補助電源も不要です。クロック周波数が低くなっていることを考慮すれば妥当な水準です。MSRPでは$70の差があります。国内販売価格ではGeForce RTX 3050 6GBの方が高くなっています。発売時期が影響しているのかもしれません。
上位のGeForce RTX 3060も同じGPUを搭載していますが、ストリーミングプロセッサーは8基増えてシェーディングユニットも3,584と大幅増です。GPUメモリが50%多く12GBとなります。メモリ帯域幅も含めて全体的に強化されています。バスインターフェースはPCIe 4.0×16となります。TDPは170Wで、GeForce RTX 3050 8GBよりも40W高いです。補助電源は1×12-pinです。MSRPでは$80アップです。国内販売価格は10,000円高くなっています。
GeForce RTX 3050 8GBの写真
MSI製のグラフィックボード「GeForce RTX 3050 VENTUS 2X 8G OC」です。2連ファンを搭載しています。LEDは非搭載でシンプルなモデルだといえます。
バックプレート付きです。ブランドロゴがかっこいいです。
PCI Express(接続端子)が配置されています。
ヒートシンクが見えますね。
HDMI×1、DisplayPort×3が用意されています。
補助電源は8-pinです。
GeForce RTX 3050 8GBに関する考察
エントリーモデルとして十分なゲーム性能を持つ
GeForce RTX 3050 8GBは50番台ながらまずまずのゲーム性能を持つグラフィックボードです。2世代前のGeForce GTX 1070に匹敵する性能は圧巻です。後発のGeForce RTX 3050 6GBと比べても27%も性能が高く圧倒しています。2025年6月時点でも問題なく使用できます。フルHD環境で設定を調整すれば対応できる幅が広いです。
次世代のGeForce RTX 40シリーズでもGeForce RTX 50シリーズでも50番台がリリースされておらずこのGeForce RTX 3050が最後の50番台のモデルとなります。GeForce GTX 1060 6GB/3GBやGeForce GTX 1050 Tiなどからの買い替えもおすすめです。すでにGeForce RTX 3050 6GBがメインとなっていて8GB版の購入は難しくなっています。BTOパソコンでもラインナップはありません。
消費電力が低く後からでも搭載しやすい
省電力性の高いグラフィックボードとなっています。ゲームプレイ時の消費電力は120WとTDPに近い数値が出ています。上位のGeForce RTX 3060と比べると33%も消費電力が低いです。補助電源が不要なGeForce RTX 3050 6GBには劣るものの性能差があることを考えれば納得できるのではないかと思います。なお、次世代のGeForce RTX 40シリーズではさらに省電力性に磨きがかかり上位のGeForce RTX 4060でもGeForce RTX 3050 8GBと同等です。
中古ゲーミングPCの在庫が増えてきている
今GeForce RTX 3050 8GBを搭載した中古ゲーミングPCのラインナップが増えて来ています。発売から時間が経過したこともあり価格も下がって来ています。古すぎず新しすぎずで狙い目のモデルだと考えています。当ショップでも仕入れが行いやすく積極的に仕入れている状況です。
ポイントは組み合わせるCPUです。意外とGeForce RTX 3050 8GBでも搭載するCPUによってゲーム性能が変わります。Ryzen 5 4500よりもCore i5シリーズ(Core i5-12400 etc.)の方がゲーム適性が高くおすすめしやすいです。Ryzen 5 4500搭載モデルなら相応に価格が下がっていないと選びづらいです。
GeForce RTX 3050 8GBのゲーム適正目安
フォートナイト | Apex Legends |
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![]() 低設定で100fps以上を目指せる |
![]() 低設定で100fps以上を目指せる |
マイクラ | FF14 |
![]() 影Modには対応不可 |
![]() 画質を下げればプレイ可 |
モンハンワイルズ | Cyberpunk2077 |
![]() 最低要件をクリア |
![]() 低設定なら60fpsでプレイ可 |
50番台でも設定を調整すれば十分にゲームがプレイできます。モンハンワイルズも対応できなくはないです。安価なゲーミングPCを探している方におすすめです。
GeForce RTX 3050 8GBのベンチマーク一覧
FF14
FF14ならフルHDで快適にゲームを楽しめます。71.8fpsと十分なスコアが出ています。GeForce GTX 1070と同等となります。設定を落とせばより高いフレームレートが実現可能です。GeForce GTX 1660 Ti/GeForce GTX 1660 SUPERには及びませんでした。VRAM 6GB版のGeForce RTX 3050と比べるとパフォーマンスはワンランク上です。フルHDでも25%以上の差が出ています。
Cyberpunk 2077
負荷の高いCyberpunk 2077では設定を下げた方がよいと思います。低設定にすれば平均fpsが91.5、最小fpsが74.6と悪くない数値です。DLSS 2.0を有効化すれば平均fpsは40%以上も高く129.1fpsに到達します。ここはGeForce GTX 16シリーズと比べた際の優位性となります。GeForce RTX 3050 6GBと比べてもフレームレートは高いです。
Apex Legends
Apex Legendsでは最高設定でも116.5fpsと高いフレームレートが出ています。中設定だと200fpsに近いです。できればCPUはCore i5シリーズ以上が好ましいです。GPUボトルネックが発生しづらくCPU性能がダイレクトにフレームレートに関わるからです。
フォートナイト(DirectX 12)
フォートナイトの場合最高設定だとフレームレートが伸び悩みます。中設定にすれば152.3fpsと悪くない数値です。今回は次世代APIのDirectX 12でベンチマークを計測しましたが、GeFoce GT 10シリーズ以前のモデルだとDirectX 11を選択するのが無難です。
Forza Horizon 5
Forza Horizon 5でも設定次第で高いフレームレートが出ます。最高のエクストリームでも66.5fpsと悪くない数値です。GeForce RTX 3050 6GBよりも41%も高いです。一方で、中設定だと10%程度しか変わりません。
モンハンワイルズ
モンハンワイルズでは中でも60fpsに届きません。できれば”低”あるいは”最低”まで下げると良いと思います。
GeForce RTX 3050 8GB搭載のおすすめ中古ゲーミングPC
STORM Core i5-14400F×GeForce RTX 3050 8GB【Sランク】
- CPU:Core i5-14400F
- GPU:GeForce RTX 3050 8GB
- メモリ:16GB
- SSD:1TB
- 電源:750W GOLD
ストーム製のゲーミングPCで未使用品となっています。CPUにミドルクラスのCore i5-14400Fを搭載していて高いゲーム性能を期待できます。フォートナイトなどGPU負荷の軽いタイトルで高フレームレートを実現しやすいです。