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GeForce GTX 1660 Tiの性能レビュー

Turing世代のローエンドクラスであるGeForce GTX 1660 Tiの性能レビューを行いました。GeForce GTX 1060 6GBの後継モデルで高コスパモデルとして注目が集まります。MSRPは$279(国内定価は40,000円前後)と人気の価格帯です。定価で50,000円を超えるGeForce RTX 2060と比べても選びやすさがありますね。フルHD環境でゲームをしたいと考えているユーザーなら十分納得できる性能を有しています。

GeForce GTX 1660 Tiのスペック

*SM=ストリーミング・マルチプロセッサー

GeForce GTX 1660 Tiは、Turing世代のGPUです。Pascal世代であるGTX 1060の後継モデルとなります。プロセスが16nm→12nmへと微細化されています。トランジスタ数は50%増えて66億です。ダイサイズは42%大きくなり284m㎡です。GeForce GTX 1660 TiはフルスペックのTU116を搭載していてSM数は24です。シェーダープロセッサ数は1,536となります。Pascal世代ではSM 1つ当たり128基のシェーダープロセッサでしたが、Turin世代ではSM 1つ当たり64基となっています。シェーダープロセッサ数は20%増えました。

GeForce GTX 1060と比べてベースクロックは少し引き下げられていますが、ブーストクロックは4%弱高くなっています。GPUメモリもGDDR5からGDDR6へと強化されました。メモリクロックも50%速く12.0 Gbpsとなります。メモリインターフェイスは192 bitと同じです。メモリバス帯域幅は12%速く288.0 GB/sとなります。消費電力は120Wが維持されています。GeForce GTX 1660 TiのPCIe外部電源は1×8-pinです。出力はDVI、HDMI、DisplayPortとなります。MSRPは$279でGeForce GTX 1060よりも$20安いです。ただし、中古価格では5,000円の差があります。世代や性能を考えれば妥当な価格設定と言えます。

GeForce GTX 1660 Tiがリリースされて8ヶ月後に下位モデルとしてGeForce GTX 1660 SUPERが登場しました。注目は価格でMSRPは$70も引き下げられています。中古価格ではそこまで反映されておらず2,000円安いだけに留まります。性能差を考えれば妥当な水準にあります。GeForce GTX 1660 TiよりもSM数が2つ少なく、シェーダープロセッサ数は1,408 となります。GeForce GTX 1660 SUPERの方がベースクロックが2%高く、ブーストクロックも1%弱高いです。

メモリクロックも12.0 Gbps→14.0 Gbpsと速く、メモリバス帯域幅は17%速く336.0 GB/sとなります。消費電力は125WとGeForce GTX 1660 Tiよりも5W引き上げられました。クロック周波数の引き上げとメモリクロックの引き上げが要因です。PCIe外部電源は1×8-pinと変更なしです。出力も同じですね。

GeForce GTX 1660 Tiの写真

ZOTAC製のグラフィックボードです。型番は「ZT-T16610J-10B」となります。シングルファン搭載のオーソドックスなモデルです。

バックプレートはなく基盤が剥き出しとなっています。補助電源は6-pinです。

出力端子はDisplayPort×3とHDMIx1です。

上がGeForce GTX 1070となります。一回り小さいことがわかります。比較的PCケースに格納しやすいサイズ感といえます。

GeForce GTX 1660 Tiに関する考察

GTX 1070と同等以上のゲーム性能を有する

GeForce GTX 1660 Tiは、従来モデルのGeForce GTX 1070と同等以上のゲーム性能を有しています。次世代モデルが前世代の一つ上のモデルを上回るというのは一世代での理想的な性能アップといえます。GeForce GTX 1060 6GBと比べると50%以上も処理性能が向上しています。2世代前のフラグシップモデルであるGeForce GTX 980 Tiを上回るのは圧巻です。

同じTuring世代のGeForce GTX 1660と比べても17%程度パフォーマンスが高いです。上位モデルであるGeForce RTX 2060と比べると16%低いです。それでもゲームプレイにおいても十分通用する水準にあります。パルワールドやパルワールドなど負荷の高いタイトルはやや苦手ですが、一般的なタイトルであれば快適にプレイできるでしょう。

RTコア・Tensorコアは非搭載となる

GeForce GTX 1660 SUPERでは、RTコア及びTensorコアは非搭載となっています。つまり、レイトレーシング・DLSSを利用することはできません。上位モデルのGeForce RTX 20シリーズと差別化を図り、価格を抑えることを重視した形です。すべてのユーザーがレイトレーシングやDLSSを利用しているわけではなく、これは理にかなっているように思います。

今はXeSSやFSRといったTensorコアがなくても使えるアップスケーリング技術があります。フレームレートの向上が見込めますので、十分DLSSの代替と考えることができます。事前に理解した上で購入すれば何も問題はありません。純粋にGeForce GTX 1060 6GBの強化モデルと考えればいいですね。モンハンワイルズなどDLSSが前提となっているタイトルには不向きです。

省電力性の高いモデル

上記はゲームプレイ時における最大消費電力をまとめたものです。GeForce GTX 1660 Tiの魅力は省電力性の高さにあります。驚くべきことに消費電力は従来モデルのGeForce GTX 1060と同等です。性能が50%向上しているにもかかわらず消費電力が変わらないのは素晴らしいですね。後発モデルであるGeForce GTX 1660 SUPERよりも12%弱消費電力が抑えられています。もっともこれぐらいの消費電力であれば通常運用で差を感じることはないでしょう。エアフローや電源ユニットなどが変わることもありません。同じモデルとして考えて問題ないと思います。GeForce GTX 1070よりも25%も消費電力が低いのは評価できます。GeForce GTX 1070からの買い替えであれば電源ユニットをダウングレードしても対応できそうです。

タイトル別目安

フォートナイト Apex Legends

100fps以上を目指せる

60fps以上も目指せる
マイクラ FF14

Modにも対応可

高品質でもプレイ可
パルワールド Cyberpunk2077

必要動作環境を満たす

XeSS/FSR推奨

使用環境などによって変わる可能性があります。一つの目安として見ていただければと思います。

GeForce GTX 1660 Tiのベンチマーク一覧

PCMARK10

PCMARK10は様々なPC作業のパフォーマンスを計測できるベンチマークソフトです。CPUとGPUの差が現れます。GeForce GTX 1060 6GB搭載モデルよりも15%以上もスコアが高いです。特に画像編集や動画編集を想定したDigital Contentは35%以上も高いです。Essentialsは7%・Productivityは6%高くなっています。

Fire Strike

 

Fire Strikeでのスコアは14,732~14,774となります。GeForce GTX 1660 SUPER搭載モデルと同等のスコアです。従来モデルのGeForce GTX 1060 6GB搭載モデルよりも40%程度パフォーマンスで上回っています。

Time Spy

 

 

Time Spyでのスコアは6,280~6,289です。GeForce GTX 1660 SUPER搭載モデルよりも2%-3%高いです。GeForce GTX 1060 6GB搭載モデルよりも51%高いです。GeForce GTX 1060 3GB搭載モデルと比べても63%上回っています。

FF14 黄金のレガシー

 

FF14でのベンチマーク結果を見ていきます。FULL HDで73.0fpsとなっています。GeForce GTX 1060 6GB搭載モデルよりも28%も高いです。ところが、WQHDでは5%弱、4Kで12%と高解像度ではその差が縮まります。Core i5-10400F×GeForce GTX 1660 SUPER搭載モデルだとFULL HDで4%、WQHDで28%、4Kで30%上回ります。CPU性能の差が出ているのかもしれません。

Cyberpunk 2077

cyberpunk2077

 

Cyberpunk 2077では低設定でのフレームレートを計測しました。平均fpsは80.0fps前後、最小fpsは66.0fps前後となります。数値的には十分ゲームを楽しめます。GeForce GTX 1060 6GB搭載モデルよりも80%以上もフレームレートが向上しています。アップスケーリング技術のAMD FSRを活用すれば121.2fpsとなります。最小fpsも98.0fpsと安定していることがわかります。TensorコアがなくてもFSRを活用して高みを目指せます。

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