ゲーミングPCに搭載するのにおすすめのCPUと選び方について紹介していきます。コスト度外視なら選ぶのは簡単ですが、誰にでも予算は合って妥協も必要になるでしょう。ゲーミングPCの購入あるいは自作PCの組み立てでどのCPUを選べばいいのか悩んでいる方は参考にしてくださいね。ゲームだけではなく動画編集・ゲーム実況・ゲーム開発などの用途も考慮するならマルチコア性能を重視したいところです。CPU性能比較表【2024年版】と合わせて読み進めていただければと思います。
ゲーム向けCPUの選び方
CPUを選ぶ上で下記の項目順に沿って絞り込んでいくと最適なモデルが見つかると思います。時間を掛けてあなたに合うCPUを探してくださいね。
予算
CPUにどのぐらいの予算を掛けられるのかを考えてください。価格によっておおよそのグレードが変わります。ゲーム用途で考えるなら最低でも15,000円程度の予算が必要です。ここに記載はありませんが、Pentiumなどの廉価モデルは不向きです。4コアのCore i3-14100Fでもロード待ちなどで遅延を感じてしまう可能性があります。予算が許すのであれば6コア or 8コアが好ましいです。
メーカー
IntelかAMDのいずれかのメーカーを決める必要があります。Intel製CPUはゲーム性能とマルチコア性能のバランスがよいこととアプリケーションでの安定性が高いことから人気があります。2つのコアを組み合わせたハイブリッドコアアーキテクチャが強力で特定の用途に限らず幅広く使用したい方に最適です。アーキテクチャをそこまで変えずにクロック周波数を引き上げていることもあって消費電力はやや高めです。
一方で、AMD製はゲーム性能を極めた3D V-Cache搭載モデルがあったり、エントリークラスからハイエンドクラスまでラインナップが豊富だったりと人気があります。特に自作PCユーザー向けです。Ryzen 7000シリーズ以降AM5ソケットがしばらく維持されることが考えられることからマザーボードを流用しやすいのもメリットです。省電力性の高さも特徴と言えます。旧世代のRyzen 5000シリーズまではAM4ソケットとなります。
グラフィックボードとのバランス
CPUを選ぶ上でグラフィックボード(GPU)とのバランスを考えることも重要です。いくらグラフィックボードの性能が高くてもCPUの性能が低いとパフォーマンスを最大限に引き出せません。ハイエンドのGeForce RTX 4090を搭載しているゲーミングPCのCPUがエントリークラスのCore i3-14100FだとGeForce RTX 4090のパフォーマンスを引き出すことは難しいです。ハイエンドのグラフィックボードならハイエンドのCPUを、ミドルクラスのグラフィックボードならミドルクラスのCPUを選択すると良いでしょう。Core i9-14900KSやCore i9-14900Kを選ぶ理由は薄いです。
用途
最後にどういった用途でゲーミングPCを使いたいのかを考えてください。ゲームプレイだけならゲーム特化型のRyzen 7000X3Dがぴったりかもしれません。コストを抑えつつトップクラスのゲーム性能を得られます。旧世代のRyzen 7 5700X3Dも魅力的です。一方で、動画編集やエンコードなどのクリエイティブ作業を頻繁に行うならCore i9シリーズやRyzen 9シリーズがおすすめです。ゲームしかしないのにCore i9シリーズやRyzen 9シリーズを選ぶのは宝の持ち腐れです。その分をグラフィックボードに掛ける方が満足度が高くなると思います。
各CPUのゲーム・マルチコア性能を比較
現在購入できる主要CPUのゲーム性能及びマルチコア性能をまとめました。3D V-Cache搭載のRyzen 7000X3Dシリーズは高いゲーム性能を有しています。特にフラグシップモデルのRyzen 9 7950X3Dはゲーム性能・マルチコア性能共に高い水準にあります。Intel製CPUはゲーム性能とマルチコア性能のバランスに優れています。ゲームプレイだけではなくクリエイティブな作業も行いたいならIntel製CPUは魅力的です。特にCore i7-14700KF/Core i7-14700Fは人気があります。
ゲームにおすすめのCPU紹介【最新】
Ryzen 7 7800X3D
価格/ランク | 55,498円/ハイ1 |
---|---|
アーキテクチャ | Zen 4 |
ソケット | AM5 |
コア/スレッド | 8コア16スレッド |
定格/最大クロック周波数 | 4.2 GHz/ 5.0 GHz |
キャッシュ(L3/L2) | 96MB+8MB |
TDP(MTP) | 120W(162W) |
Ryzen 7 7800X3Dは価格・ランク的にはハイ1に属しているCPUですが、ゲーム性能はトップクラスです。ゲーム性能だけを追求するなら理想的なモデルと言えます。96MBの3D V-Cacheが効いています。クロック周波数が抑えられていることもあって省電力性にも優れています。マルチコア性能はCore i5-14600KFよりも低いです。コストパフォーマンスが高いCPUですが、最近少し値上げ傾向にあります。
Core i5-14400F
価格/ランク | 33,980円/ミドル |
---|---|
アーキテクチャ | Raptor Lake-R |
ソケット | LGA1700 |
コア/スレッド | 10コア16スレッド |
定格/最大クロック周波数 | 2.5 GHz/ 4.7 GHz |
キャッシュ(L3/L2) | 20MB+9.5MB |
TDP(MTP) | 65W(148W) |
Core i5-14400Fはミドルクラスに属するCPUです。そこそこのゲーム性能とCPU性能を持ち人気があるモデルとなっています。AMD製Ryzen 7000シリーズと比べてプラットフォームコストが掛からないのも魅力です。ハイブリッドコアアーキテクチャ採用で10コア16スレッドとスペックが高いです。マルチコア性能もミドルクラスとして必要十分です。競合のRyzen 5 7600と比べても見劣りしません。
Core i7-14700F
価格/ランク | 59,380円/ハイ1 |
---|---|
アーキテクチャ | Raptor Lake-R |
ソケット | LGA1700 |
コア/スレッド | 20コア28スレッド |
定格/最大クロック周波数 | 2.1 GHz/ 5.4 GHz |
キャッシュ(L3/L2) | 33MB+28MB |
TDP(MTP) | 65W(219W) |
Core i7-14700Fは、ハイ1に属するモデルでバランスのよいCPUとなっています。20コア28スレッドと高いスペックを持っています。最大クロック周波数は5.4GHzと高くゲームプレイも得意としています。33MBのL3キャッシュと28MBのL2キャッシュは強力です。MTPは219Wと高めに設定されています。
Ryzen 7 5700X
価格/ランク | 21,980円/高コスパ |
---|---|
アーキテクチャ | Zen 3 |
ソケット | AM4 |
コア/スレッド | 8コア16スレッド |
定格/最大クロック周波数 | 3.4 GHz/ 4.6 GHz |
キャッシュ(L3/L2) | 32MB+4MB |
TDP(MTP) | 65W(88W) |
Ryzen 7 5700Xは、コストパフォーマンスの高いCPUです。現行モデルではなく一世代前のモデルで割安感があります。8コア16スレッドとスペックは必要十分です。最大クロック周波数は4.6GHzです。Core i5-14400Fと同等の性能を持ち20%程度安価です。ソケットもAM4と一世代前でプラットフォームコストも抑えられます。
Core i3-14100F
価格/ランク | 19,380円/エントリー |
---|---|
アーキテクチャ | Raptor Lake-R |
ソケット | LGA1700 |
コア/スレッド | 4コア8スレッド |
定格/最大クロック周波数 | 3.5 GHz/ 4.7 GHz |
キャッシュ(L3/L2) | 12MB+5MB |
TDP(MTP) | 58W(110W) |
Core i3-14100Fは現行モデルで唯一20,000円以下で購入できるモデルです。4コア8スレッドとスペックは控え目です。MMORPGでの読み込みなどでストレスを感じてしまう可能性があります。それでも最低限必要なゲーム性能はクリアしています。最大クロック周波数は4.7GHzと高めですね。