パソコン使用中の音が気になるときの対処法をまとめています。異音がしたらパーツの故障を疑いましょう。状態を確認するために電動ドライバー・電動エアダスター・パーツクリーナー・ウェスを用意しておくと円滑にことを進められます。
パソコンは音を発する箇所が多い
まず前提としてパソコンは音を発するものだという認識を持っておくことが大切です。パソコン内部のエアフローやパーツの冷却のためにファンが稼働します。CPUクーラー・グラフィックボード・電源ユニット・ケースファンなどが該当します。また、水冷式のCPUクーラーは独特な音を発します。HDDなど駆動音(シーク音)を発するパーツもあります。
ファンの駆動音やパソコン本体から多少の音がしたからといって問題があるわけではありません。どうしても音が気になる場合はソフトウェアから制御をするなど対策が行えます。カラカラあるいはカタカタと普段と違った音がしたら故障を疑いましょう。また、突然大きな音がした時も注意してください。何らかの故障が生じている可能性があります。パソコンからの音を抑える方法について次の項目で見ていきます。
パソコンの音が気になる時の対処法
ここで紹介している手順に沿って対策を行ってください。最終手段はパーツの交換となります。それより以前の段階で問題が解決すればラッキーですね。
PC内部の掃除・メンテナンスを行う
異音が発生したらまずは掃除とメンテナンスを行いましょう。パソコンを長く使う秘策は定期的なパソコンの掃除です。パソコンを購入してからメンテナンスをしていないという方は多いのではないでしょうか。サイドのパネルを外して中を確認してみましょう。音の原因やパーツの不具合を見つけられるかもしれません。定期的なメンテナンスを行うことで不具合の早期発見につながり修理にかかる時間も短くできます。
ケース内部・パーツ・ファンに埃が溜まっていれば除去してください。長く使用している場合はケースファンやグラフィックボードのファンに埃が溜まりがちです。埃が音の原因になっている可能性もあります。また、各種ケーブルがケースファンやグラフィックボードのファンに干渉していることもあります。異音の発生個所が特定できれば対策も行いやすくなります。
各種ファンの制御を変える
専用ソフトウェアやBIOSからCPUファンやケースファンの制御を行うのも一つの方法です。CPUクーラーのファンやケースファンの回転数を変更することができます。回転数を抑えれば音が小さくなります。パソコンに搭載しているファンの数が多いほど効果的です。ファンごとに細かく調節ができますので、最適なバランスを見つけてだしてください。
マザーボードのメーカーごとに用意されていて一般的には「サイレント」・「スタンダード」・「パフォーマンス」・「フルスピード」が選択できます。初期設定はスタンダードになっていると思います。音が気になるならサイレントにしてもよいでしょう。ただし、回転数を抑えると冷却性能が低くなってしまうためオーバークロックや電力制限の解除を考えているなら避けてください。通常時はファンの回転数を抑えつつ、負荷が掛かるとファンの回転数を抑える制御にしておくと安心です。
電源プランを変更する
Windows 11に用意されている電源プランを変更するのもおすすめです。トップクラスの電力効率・バランス(初期設定)・最適なパフォーマンスの3つがあります。トップクラスの電力効率は省電力モードでコンピューター全体の消費電力を最小限に抑えてくれます。CPUの動作クロックが抑えられ発熱量が低くなります。結果的にCPUファンやケースファンの稼働を抑えることができ、音を抑えられます。
冷却システム・エアフローを見直す
本体内部に熱がこもりファンの回転数が上がり音が大きくなっている可能性があります。冷却システムやエアフローの見直しが効果的です。冷却システムについては、CPUクーラーを簡易水冷式クーラーに変更したり、ハイエンドのサイドフロー型のCPUクーラーに変更したりといったことが効果的です。特にリテール品(純正)を使用している場合は効果が大きいです。エアフローの見直しについては、ケースファンを大型のものに変更したり、吸気・排気を変更したりといったことが挙げられます。
パーツを交換する
最終手段はパーツを交換するのがよいでしょう。上記項目で上げたCPUクーラー以外にもCPU・グラフィックボード・HDD・電源ユニットなどの交換なども検討してください。例えば、数世代前のCPUやグラフィックボードを使用している場合、現行モデルと比べて消費電力が高く発熱量も大きい傾向にあります。本体内部に熱がこもりケースファンの稼働が大きくなります。パーツが故障している可能性もあります。HDDについてはどうしてもシーク音を避けられないので、SSDに換装するのもよいですね。事前にバックアップをとってから行いましょう。電源ユニットも80PLUS GOLD以上のモデルへアップグレードするのも効果的です。電源効率が上がり発熱量を抑えられます。
パソコン内部を触る時の注意点
パソコン内部を触る際に注意すべき点をまとめています。
パーツの分解をしない
パーツの分解は厳禁です。例えば、水冷式CPUクーラーのポンプヘッド・グラフィックボード・電源ユニット・マザーボードは分解してはいけません。グラフィックボードや電源ユニットのファンや内部に埃が溜まっていることがわかったので、中を開けて掃除をしたいと思っても絶対に行ってはいけません。保証対象外となってしまう可能性もあります。ブロワーなどで埃を飛ばす程度に留めておきましょう。どうしても埃が気になるなら買い替えた方がよいです。
静電気対策を行う
パソコンと静電気の相性は最悪で故障やトラブルの原因となってしまうこともあります。静電気防止手袋や静電気防止リストバンドなどのアイテムを活用するとよいですね。また、事前に壁や地面を触ったり、加湿器を使って静電気が発生しづらい環境を作ったりするのも効果的です。
ウェットティッシュは避ける
PCケース本体に使うぐらいであれば問題ないですが、マザーボードの端子やグラフィックボードの端子などをウェットティッシュでふき取るのはNGです。電子部分のメンテナンスはパーツクリーナーと乾いた布などを活用してください。