PCケースの種類と選び方について解説していきます。ゲーミングPCを構築する上でどのようにPCケースを選べばいいのかを解説しました。最近のトレンドについても触れています。ケースのトレンドは頻繁に変わりますが、好みで選べばいいと思います。PCケース購入を検討中の方はぜひ参考にしてくださいね。
PCケースの種類
まずはどのようなPCケースがあるのかをざっと見ていきましょう。ほとんどのユーザーがミドルタワーかミニタワーを選択することになると思います。他のケースは中上級者向けと言えます。
ミドルタワー ATX
ミドルタワーは、もっとも一般的なPCケースといえるかもしれません。価格は5,000円~25,000円程度です。ケースはやや大きいです。サイズの目安は、幅220mm×奥行き500mm×高さ450mmです。マザーボードのATX規格は縦のサイズが最大244mm、横のサイズが最大305mmと規定されています。拡張スロットは最大7基、メモリスロットは4基が一般的です。GeForce RTX 4090やGeForce RTX 4080 SUPERなど比較的大型のグラフィックボードを搭載できるので幅広いユーザーにおすすめできます。マザーボードの価格は12,000円〜100,000円となります。初心者の方が将来のステップアップを見据えてミニタワーではなく、ミドルタワーを選ぶのも良いと思います。
ミニタワー MicroATX
BTOパソコンでは価格の安さからこのミニタワーモデルが人気です。価格は4,000円~25,000円程度です。ミニタワーの中でもキューブ型に近づくと価格が高くなる傾向にあります。一般的なPCケースと比べると大きいですが、ミニタワーケースよりは一回り小さいです。サイズ的には幅190mm×奥行き420mm×高さ400mmです。ミドルタワーよりは扱いやすいと思います。マザーボードのMicroATX規格は縦のサイズが最大244mmで、横のサイズが最大244mmとなります。拡張スロットは最大4基、メモリスロットは2〜4基です。一般的なユーザーなら十分だといえるでしょう。事前にどのスロットを使うのかを確認しておくとよいですね。GeForce RTX 4070 Ti SUPERやGeForce RTX 4070 SUPERぐらいの大きさであれば搭載可能です。
フルタワー E-ATX
フルタワーケースは、ミドルタワーケースよりもさらに大きなサイズとなっています。設置場所についてより慎重に考える必要があります。サイズの目安は幅250mm×奥行き600mm×高さ600mmです。拡張性が高く本格水冷の導入も現実的です。ハイエンドのグラフィックボード搭載もお手のものです。こだわりのゲーミングPCを作りたい玄人向けのケースだといえます。価格は15,000円~120,000円と高価です。マザーボードのE-ATX規格は縦のサイズが最大305mm、横のサイズが最大330mmとなります。フルタワーケースでもATX規格が採用されることも多いです。価格も高く60,000円~200,000円となっています。
小型 Mini-ITX
ビジネスPCでは小型ケースも人気です。デスクの上にも設置がしやすいです。スモールフォームファクターであるMini-ITX規格は縦のサイズが最大170mm、横のサイズが最大170mmmです。一般的なマザーボードで最小クラスとなります。PCI Express x16を搭載しているモデルもあります。ケースによってはグラフィックボードを搭載することができます。USBポートなどの数が少ないです。拡張性・汎用性はかなり低いと考えて間違いありません。価格はMicroATXなどと同等以上で高めに設定されている。小さいからといって安いことはありません。むしろ販売数が多くなく価格を押し下げる要素が少ないです。
特殊ケース
デザイン性を重視した特殊なケースもあります。マザーボードの規格はケースサイズに合わせて選択する必要があります。スニーカー型・ピラミッド型・樽型のケースなど種類も豊富です。価格も高めとなっています。特殊なケースはパーツの組み込むも難しく慎重にパーツ選定を行わなければいけません。上級者向けのPCケースとなります。またベンダー側システム込で販売していることもありその場合はPCケース単体で購入することは難しいです。
オープンフレーム
最後にマザーボードなどパーツがむき出しになるオープンフレームケースを紹介します。オープンフレームのメリットはパーツの交換がしやすいこととエアフローを考えなくてよいことが挙げられます。CPU・グラフィックボードなどPCパーツのベンチマークを計測する機会が多いユーザー向けです。ケースがないと移動時に何かにぶつかってしまうと直接パーツにダメージを与えてしまう可能性があります。CPUクーラーやケースファンの音が目立ってしまうというデメリットもあります。
PCケースの選び方【パーツサイズをチェック】
PCケースを選ぶ上で重要なのは各パーツがしっかり収まるかどうかということです。ただ基本的には特定のPCケースありきでそれにあったパーツを揃えていけばいいと思います。
マザーボード(フォームファクター)
マザーボードはパソコンの土台部分です。選ぶマザーボードで拡張性などが決まります。まずは、フォームファクターと呼ばれるサイズが重要です。ミニタワーケースならMicroATXz規格を、ミドルタワーならATX規格を基準に考えましょう。サイズが大きい方が拡張スロットが多かったり、USBポートが多かったりと拡張性が高くなります。まずはケースに合うフォームファクターを選んで、そこから求める機能などで選択すると良いですね。
CPUクーラー
CPUクーラーがしっかりとケースに収まるかどうかも重要なポイントです。リテールクーラーや安価な空冷クーラーであればサイズはそこまで大きくありませんが、ハイエンドの空冷クーラーになるとスペースを取ります。また、簡易水冷クーラーを搭載する場合はラジエーターを設置するスペースがあるかどうか確認しましょう。本格水冷になるとさらに慎重になる必要があります。事前に仕様を確認してください。
電源ユニット
電源ユニットは他のパーツに比べると規格が限られているため選びやすいです。基本的にはATX規格を選ぶことになると思います。サイズは幅150mm×奥行き140mm×高さ86mmとなっています。製品によって奥行きが異なることがありますが、小型PCケースなどを除けばほとんど対応しています。一回り小さいSFX電源もあります。サイズは幅125mm×奥行き100mm×高さ63mmとなります。
グラフィックボード
グラフィックボードのサイズにも注意が必要です。現行のAda Lovelace世代のハイエンドモデルやRadeon RX 7000シリーズのハイエンドモデルになると本体が大きくなります。ケースによっては収まらないこともあります。ミニタワー・小型ケース・特殊ケースを選択する際はグラフィックボードのサイズを確認しておきましょう。
ケースファン
ケースによって搭載できるファンが決まります。どのぐらいケースファンを搭載したいのかを確認しておくと良いですね。排熱効率を考えたエアフロー設計が重要です。
SSD/HDD(ドライブベイ)
SSDやHDDを搭載するためのドライブベイの数も重要なポイントです。NVMe接続のSSDが主流になったこともあって新しいケースの場合はドライブベイの数も少なくなっています。3.5インチドライブベイ×2台、2.5インチドライブベイ×2台が定番となりつつあります。それ以上のドライブが必要な場合は古めのケースを探してみるとよいと思います。
PCケースの選び方【こだわり編】
こだわりのPCケースを探す上で役に立つ情報をまとめました。
デザイン
ゲーミングPCを購入する上でデザインを最優先に考える方も多いはずです。サイドクリアガラス・カラー・形などこだわるポイントは多岐に渡ります。デザインにこだわりすぎると実用性・機能性が犠牲になることもあるのでバランスを取るとよいと思います。
静音性
静音性を重視したPCケースも販売されています。遮音材・吸音材を使用したり、メッシュ加工を使用せず気密性を高めたりと様々です。静音性の高いケースファンと組み合わせればさらに効果的です。デザイン性が劣る場合もあります。
I/Oパネルの利便性
フロントインターフェース(I/Oパネル)はこだわりたいポイントです。日常的に使用頻度が高いからです。USBポートの数や対応規格(Type-C etc.)は必ず確認しておきましょう。SDカードリーダーを搭載したケースもあります。
メンテナンスのしやすさ
最後にメンテナンス性のしやすさを考慮しておけば日頃のメンテナンスが容易になり長く使い続けられます。ダストフィルターの有無、天板の脱着、サイドパネルの外しやすさ、ケーブルマネージメントなどです。定期的にケースを開けて埃をとってあげるとよいですね。ケーブルがまとめやすいケースならメンテナンスも簡単になります。
今人気のPCケースを紹介
流行のPCケースを紹介します。自作PCでもBTOパソコンでも共通していることが多いです。
白色ケース
2024年注目のケースは白色ケースだと思います。元々自作PCユーザーがこだわりで作ることが多かったのですが、最近は各BTOメーカーが販売に力を入れています。ただし、BTOパソコンの場合はPCケースが白色で内部は白で統一されていないこともあります。メモリ・グラフィックボード・電源ユニット・ケーブルまで白で統一したいなら自作が手っ取り早いです。
ピラーレス
ピラーレスケースも人気が出ています。前面と左側面にクリアガラスパネルを採用したケースです。PC内部がはっきりと見えます。RGB対応ファンなどで魅せるゲーミングPCが出来上がります。次に紹介しているサイドクリアガラスパネルよりも見える部分が多い分インパクトがあります。
サイドクリアガラスパネル
サイドクリアガラスパネルを採用したケースは昔から人気があります。一般的には左側面がクリアガラスパネルになっていて内部を魅せる仕様です。RGB対応ファン、水冷クーラー、LEDストリップライトなどを搭載して光るゲーミングPCとなります。BTOパソコンでは当たり前になっていて通常のケースの方が少ないぐらいです。