CPUクーラーは、その名称の通りCPUを冷やすためのパーツです。ファンを搭載したCPU特化型の冷却システムです。空冷式ならファンとヒートシンクを活用して冷却を行います。水冷式ではファンとラジエーターを活用して冷却を行います。パソコンを起動する上で必ず搭載する必要があります。CPUの高性能化に伴い発熱量が上がっているため重要度は増しているように思います。
CPUクーラー早見表
CPUクーラーを分類すると大きく4つに分けられます。電力制限の解除やOCをせずかつCore i5-14400(F)やRyzen 5 7600などの無印モデルを選択するなら純正品(リテール)のCPUクーラーでも問題ありません。Core i7やRyzen 7シリーズ以上のモデルならサイドフロー方の空冷クーラーがおすすめです。電力制限解除やOCを考えているなら簡易水冷(240mm or 360mm)がおすすめです。メンテナンスフリーなので気軽に導入できます。本格水冷はこだわりのあるユーザー向けです。導入ハードルも高いです。
CPUクーラーの選び方
対応ソケット
CPUクーラーを購入する前に必ずCPUのソケットを購入しておきましょう。新しいCPUであれば基本的に対応していると考えて良いと思います。Intel製CPUは世代によってソケット形状が異なるため特に注意が必要です。現行のIntel第14世代「LGA1700」となります。AMDはRyzen 5000シリーズより前であればAM4、Ryzen 7000シリーズであればAM5となります。
価格
価格を基準に考えるのもおすすめです。少しでも予算を抑えたいならトップフロー型空冷が良いでしょう。3,500円~15,000円ぐらいの予算でそれなりの冷却性能を追求するならサイドフロー型空冷がおすすめです。10,000円以上の予算があり最上級の冷却システムが必要なら簡易水冷がおすすめです。本格水冷だと30,000円以上のコストが掛かります。
サイズ
CPUクーラーは製品ごとにサイズが異なります。基本的にサイズが大きい方が冷却性能は高いです。選択するPCケースに搭載できるサイズかどうか確認しましょう。小型PCの場合はトップフローやサイドフロー空冷が現実的です。ただし、サイドフロー型はヒートシンクが大きいタイプだとかなりスペースを専有することになるので注意しましょう。ミドルタワーやフルタワーなら大きめの簡易水冷クーラーでも搭載しやすいです。
冷却性能
冷却性能は本格水冷/簡易水冷>サイドフロー空冷>トップフロー空冷となります。電力制限解除やオーバークロックを前提とするなら簡易水冷が良いと思います。本格水冷は玄人向けで一般ユーザーにはおすすめできません。サイドフロー型でも高価な製品だと簡易水冷に匹敵する冷却性能を期待できます。
静音性
静音性も重要なポイントとなります。トップフロー型はコストが低いこともあって静音性にはそこまで力を入れていません。仕様上音を抑えることが難しいのかもしれません。静音性の高さではサイドフロー型空冷に軍配が上がります。水冷クーラーも静かめですが、水の流れる独特な音がします。静音性に長けたケースを選択すれば比較的音は抑えられると思います。
CPUクーラーの種類
CPUクーラーについて4つの種類を詳しく見ていきましょう。
トップフロー型
出典:https://www.intel.com/トップフロー型は、最もオーソドックスなCPUクーラーです。CPU同梱のリテール(純正)クーラーがこのタイプです。他の種類に比べて価格が安く初心者向けとなっています。シンプルな構造で取り付けやすいのも魅力です。CPUに対して上から風を当てる仕組みです。メモリやマザーボードに対しても風を当てられますが、構造上ヒートシンクが小さく冷却性能自体はそこまで高くありません。電力制限解除やOCを考えているシステムには不向きです。また、トップフロー型はケース全体のエアフローを阻害している側面があります。
サイドフロー型
出典:https://www.scythe.co.jp/サイドフロー型はその名の通り横からヒートシンクに風を当ててCPUを増やすCPUクーラーです。価格はピンキリで安価なモデルであれば3,500円~手に入れられます。高級なnoctuaブランドの製品だと15,000円を超えるものもあります。モデルによってはヒートシンクのサイズが大きく取り付けがややしづらいです。ケースやメモリに干渉してしまうこともあるので事前に確認しておくと良いですね。冷却性能はまずまずです。エアフローの観点からも有利です。後方排気のエアフローを妨げません。比較的静音性も高いです。電力制限解除であれば対応できます。オーバークロックはやや苦手です。
簡易水冷
出典:https://www.coolermaster.com/簡易水冷は、ラジエーター・ポンプ・チューブが一体型となったモデルです。メンテナンスフリーで初心者でも気軽に水冷環境を構築できます。CPUの高性能化によりここ数年で急速に普及して来たように思います。オーバークロックでも問題なく対応できます。ラジエーターのサイズは360mm>240mm>120mmといくつか用意されています。サイズが大きい方が冷却性能が高くなります。寿命は2年~3年と言われています。
本格水冷
出典:https://shop.tsukumo.co.jp/本格水冷は、ポンプ&リザーバータンク・ラジエーター・チューブ・冷却水などをご自身で組み立てるシステムのことです。好みのパーツを選べるのがメリットです。チューブを切ったり、加工したりするための工具も必要です。かなり手間がかかりますがこだわりのシステムを構築できます。
おすすめのCPUクーラー
虎徹 MARK3 SCKTT-3000
3,500円から購入できる安価なモデルです。サイドフロー型のCPUクーラーとなっています。純正クーラーでは心許ないと考えるユーザー向けです。高クロックなCPUでも通常使用なら問題なく冷却できます。
DEEPCOOL AK620 R-AK620-BKNNMT-G
DEEPCOOL製の高品質CPUクーラーです。7,980円から購入できます。2つのファンを搭載したデュアルタワー型です。ヒートシンクも大きく最大260WのTDPまで対応可能となります。高さは160mmと抑えられているのでミニタワーにも搭載しやすいです。
DEEPCOOL LE720 WH R-LE720-WHAMMN-G-1
360mmラジエーター搭載の簡易水冷クーラーです。ホワイトカラーでまとめられていて人気があります。価格も13,580円からと比較的抑えられています。オーバークロックを考えているユーザーに最適です。
ARCTIC Liquid Freezer III 360 ACFRE00136A
価格はおよそ20,000円です。360mmラジエーター搭載の簡易水冷クーラーとなっています。ブラックカラーがかっこいいです。ウォーターブロックにも60mmのファンを搭載していてマザーボードを増やせます。市場を見てもかなり珍しい製品だといえます。