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PCパーツの価格高騰が止まらない【2026年1月時点】

ここ数ヶ月注目されているPCパーツ価格高騰について解説していきます。2025年10月以降PCパーツの価格高騰が止まらない状況となっています。メモリに続き、SSDやグラフィックボードの価格も上昇傾向にあります。今後の見通しも含めてショップとしての見解をまとめていきます。

一部ショップではパーツの購入制限が設けられた

2025年11月にはアークで、メモリ・SSD・HDDの購入制限が設けられています。入荷数が制限されたことが要因です。ツクモでも同様に購入が制限されました。長らくパソコン業界に身を置いていますが、ここまでの事態はなかったように思います。半導体不足によるグラフィックボードの供給不足を超えています。

メモリ価格高騰の要因はAI需要拡大のため

メモリ価格高騰の要因は世界的なAI需要(データセンター建設など)によってメモリの供給が追いつかなくなっているためです。AIを動かすには膨大な計算やデータ処理が必要で、そのデータ処理にはGPU・メモリ・SSD/HDDなどハードウェアが必須です。2025年3月頃まで続いたグラフィックボードもAI需要拡大のためでした。

AI及びデータセンター=グラフィックボードと思われがちですが、メモリの需要も大きいです。通常のパソコンのようにデータの読み込みなどでメモリが重要な役割を果たします。メモリ容量が不足すると、CPUやGPUとのデータのやり取りがボトルネックとなってしまい支障をきたします。また、SSDやHDDのようなストレージも必要です。データセットの保存などに使用されます。国内ではSSD価格は上昇していませんが、海外市場ではすでに高騰しているようです。

NANDの供給不足は10年程度続くのではないか(tom's HARDWARE, 2025)と言われています。AI需要拡大もそうですが、過去の失敗からメーカー側もメモリの供給を一気に増やせないという事情もありそうです。つまり、企業が巨額の投資をしても、製品の供給量が増えて価格が崩壊すると、結果的に投資を回収できなくなってしまうということです。

企業のAI投資は今や当たり前となっていますChatGPTやGeminiなど一般ユーザーにもAIが身近なものになっていますね。ChatGPTやGeminiなど一般ユーザーにもAIが身近なものになっています。当面の間は企業のAI投資について注視していきたいです。AI投資が減れば当然価格も落ち着いていくはずです。

DRAMの契約価格

TrendForceの記事(TrendForce, 2025)によると、サーバー向けの契約価格が引き上げられるということです。8-13%から18-23%へと大幅な契約価格アップです。コンシューマー向けモデルとは異なりますが、サーバー向けDRAMの契約価格が上昇すると、メーカーは収益性の高いサーバー向けDRAMの製造に注力します。するとコンシューマー向けのDRAMの供給がさらに不安定となります。在庫が減少すれば代理店価格が上がり、小売価格も上昇するという流れです。

PCパーツの価格が高騰中【2026年】

メモリ

DDR5メモリ

価格コムで売れ筋のDDR5メモリの価格推移(価格.com, 2025-1)です。平均価格を見ると15,000円前後で推移していたのが、10月下旬になって35,000円まで高騰していることがわかります。2倍以上になってしまうと購入しづらいですね。他のモデルでも同様の傾向が見られます。なお、最安値価格は参考になりません。すでに在庫が切れているモデルでその価格では購入できないからです。

DDR4メモリ

DDR4メモリも同様に価格が高騰(価格.com, 2025-2)しています。このモデルに関していえば6月頃から徐々に価格が上がってきていたことがわかります。

グラフィックボード

徐々にグラフィックボードの価格も上昇しています。特にハイエンドモデルで顕著です。上記はGeForce RTX 5090ですが、2025年8月頃と比べると20%程度値上げされていることがわかります。

NVIDIAとAMDが来月からGPUの価格を大幅に引き上げるというリークがありました。なんと、GeForce RTX 5090は$2,000→$5,000と2.5倍に設定されるようです。

SSD

SSD価格も上がっていますね。安かった頃と比べると倍近く高騰している状況です。SATA接続のSSDも上昇傾向にあります。

HDD

HDDの価格も例に漏れず高騰しています。メモリ→SSD→HDDと波及しています。SSDの価格が上がったことで、より安く容量を確保できるHDDに注目が集まっているのです。落ち着いていた時期から見ると1.8倍程度です。

BTOパソコンの価格も高騰中

パーツの価格が高騰を始めてから遅れること2ヶ月、2025年12月以降BTOパソコンの価格も高くなっています。12月より前の時期と比べると5万円から10万円の幅で値上げされています。エントリークラスでも10万円→15万円前後、ミドルクラスで15万円→20万円前後です。構成が充実したモデルはそれ以上の値上げが適用となっています。駆け込み需要で購入を急いだユーザーの方もいらっしゃると思います。受注が殺到したことで販売を停止しているBTOメーカーもあるぐらいです。納期も長期化していますね。当然中古パソコンの価格も上がっています。当ショップの在庫も一部価格改定を行いました。

今後の見通しについて

いつになったらメモリ価格が落ち着くのかは気になるところでしょう。当ショップとしては、少なくとも2026年中はパーツの価格は落ち着かないのではないかと予想しています。特にDDR5メモリに関しては、2026年中は高止まりとなるでしょう。NVIDIA・OpenAI・Microsoft・Google・Metaなどの超大手企業が、メモリ確保のために数年単位での長期供給契約を結び在庫を確保する動きが強まっています。こうなると市場に流通する量は急減して価格が跳ね上がります。これが2026年1月時点での状況です。

現在、将来の需要に応えるためにメーカー側が増産体制に入っています。Samsung、SK Hynix、Micron(消費者向けメモリ事業から撤退)など半導体メモリーの大手企業が数兆円規模の巨額投資を実行しています。当面の間はAIサーバー専用の超高速メモリである「HBM」の製造がメインとなります。HBMは通常のメモリと比べて歩留まりが悪く、一般市場向けのDDR5メモリへリソースが割り当てられるにはもう少し時間がかかるでしょう。AI需要が落ち着けばメーカーの生産能力が過剰になるはずです。そうなれば当然需要が供給を上回り価格が下がっていくことにつながります。2026年後半あるいは2027年ぐらいには少しは落ち着くのではないかと予想します。

参照外部サイト

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