GeForce GTX 1650の性能レビューを行いました。2019年4月に発売されたTuring世代のグラフィックボードです。ゲーミング性能はそれほど高くなく、フルHDでも設定を下げる場面が多くなります。一世代前のGeForce GTX 1060 6GB/3GBには届きませんでした。2024年4月時点でも搭載BTOパソコンが販売されています。単体の新品グラフィックボードも入手可能です。息の長いグラフィックボードとなっていますね。レイトレーシング・DLSSには非対応です。
GeForce GTX 1650のスペック
*SM=ストリーミング・マルチプロセッサー
GeForce GTX 1650は、Truing世代のエントリークラスモデルとなります。GPUコアはコンパクトなTU117を搭載しています。製造プロセス技術は12nmです。Pascal世代のグラフィックボードよりも微細化されました。トランジスタ数は47億です。ダイサイズは200m㎡です。規模的には前世代の上位モデルであるGeForce GTX 1060 6GBと同様です。GeForce GTX 1050よりも一回り大きくなりまいsた。
SM数は14基です。1基当たり64つのコアを搭載しているのでシェーダーコアは896となります。SM 1基当たりのコアが128から半減となっています。結果的にGeForce GTX 1060 6GBよりもSM数は増えていますが、シェーダープロセッサ数は30%少ないです。GeForce GTX 1050と比べると40%増えています。
GeForce GTX 1650のベースクロックは1485MHzで、ブーストクロックは1665MHzです。GeForce GTX 1050と比べてベースクロックが10%高く、ブーストクロックも15%高いです。GPUメモリはGDDR5 4GBとGeForce GTX 1050から倍増です。メモリクロックは8.0 GbpsとGeForce GTX 1050よりもはやくなっています。
メモリインターフェースは128 bitとGeForce GTX 1050から変わりなしです。メモリバス帯域幅は15%速く128.1 GB/sとなりました。GeForce GTX 1060 6GBと比べると34%遅いです。GeForce GTX 1650のTDPは75WとGeForce GTX 1050と同じです。PCIe外部電源も不要です。出力もDVI・HDMI・DiplayPortとGeForce GTX 1050と変わっていません。もちろんモデルによって多少違いがあります。
MSRPは$40高く$149です。GeForce GTX 1060 6GBよりは$150やすいです。中古相場を見るとGeForce GTX 1650は13,980円からとなります。GeForce GTX 1060 6GBよりも5,000円高く、GForce GTX 1050よりも8,000円高いです。GeForce GTX 1650は比較的新しいグラフィックボードということもあってそこまで価格が落ちていませんね。
GeForce GTX 1650の写真
今回レビューで使用したのはASUS製「ASUS Phoenix GeForce GTX 1650 OCエディション4GB GDDR5グラフィックスカード」です。OCモデルで通常モデルよりも少しだけクロック周波数が引き上げられています。シングルファン搭載でシンプルなデザインと言えます。2スロットタイプとなります。サイズは長さ19cm×奥行き11cm×高さ3.8cmです。
バックプレートはなくコスト重視の設計となっています。
DisplaypPort 1.4×1、HDMI 2.0b×1、DualLink DVI-D×1ポート構成です。最大3画面出力に対応しています。2スロット占有です。
非常にシンプルなモデルです。
手元にあったPalit製「GeForce® GTX 1650 StormX」と並べてみました。ASUS製モデルの方が一回り大きいです。どちらもシングルファンとなっています。
横に並べるとサイズ感がわかりやすいです。どちらも補助電源は不要です。
Palit製モデルでは出力端子がHDMI 2.0b×1、DualLink×1のポート構成です。
GeForce GTX 1650に関する考察
50番台として十分な性能を有している
GeForce GTX 1650のPassMarkスコアは3,582(DDR6版は3,597)となっています。GeForce GTX 1060 6GB/3GB・Radeon RX 570・GeForce GTX 970・Radeon RX 6400当たりと同等の数値です。GeForce GTX 1060 6GBよりも15%程度低くなっています。 40fps〜60fpsでのゲームプレイが可能となります。高解像度でのゲームプレイには不向きです。従来モデルのGeForce GTX 1050よりも2倍以上スコアが高く、GeForce GTX 1050 Tiよりも54%上回っています。Pascal世代やMaxwell世代の50番台からの買い替えならメリットは大きいと思います。
派生モデルが多い
- TU106 GDDR6 RTX 2070/RTX 2060向け
玄人志向 GF-GTX1650D6-E4GB/DF2
- TU116 GDDR6 GTX1650SUPER/GTX1660向け
GIGABYTE GV-N1656OC-4GD Rev2.0
- TU117 GDDR6
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6 ZT-T16520F-10L
- TU117 GDDR5
該当なし。初期販売モデル。
実はGeForce GTX 1650は派生モデルの多いグラフィックボードです。具体的にはGPUとVRAMが異なる仕様が存在しています。オリジナルはTU117となります。TU106は元々GeForce RTX 2070/GeForce RTX 2060向け、TU116はGeForce GTX 1660/GeForce GTX 1650 SUPER向けです。記事執筆時点で手に入るのはGDDR6メモリ搭載モデルのみです。GDDR5搭載モデル以外についてはGPUが異なるもののゲーム性能自体はそこまで差があるわけではありません。安価なTU106搭載モデルは狙い目です。これから購入する予定の方はスペックよりも価格重視で選んでしまって良いと思います。
新品でも20,000円強で購入できる
GeForce GTX 1650は2024年4月時点でも新品で購入できるグラフィックボードです。中古相場が13,980円からに対して新品価格は21,980円からとなっています。次世代のGeForce RTX 3050 6GBモデルが32,980円、GeForce RTX 3050 8GBモデルが36,250円であることを考えると割安です。低コストのゲーミングPCを探している方は要チェックです。BTOパソコンでも人気があるのは低コストだからですね。
タイトル別目安
フォートナイト | Apex Legends |
---|---|
100fps以上を目指せる |
60fps以上も目指せる |
マイクラ | FF14 |
Modを導入しなければ対応可 |
最高品質でもプレイ可 |
パルワールド | Cyberpunk2077 |
最小要件はクリア |
Xess/FSR必須 |
GeForce GTX 1650搭載モデルなら対応できるゲームはぐっと幅広くなります。フォートナイトやApex Legendsも設定を落とすことで高フレームレートを実現しやすいです。パルワールドは最小要件はクリアしているもののやや苦しいです。Cyberpunk 2077についてはXeSSなどのアップスケーリング技術を活用すれば60fpsを達成できる可能性があります。
GeForce GTX 1650のベンチマーク一覧
Fire Strike
スコアは7,997となります。GeForce GTX 1050よりも54%高く、GeForce GTX 1050 Tiよりも18%高いです。GeForce GTX 1060 3GBと比べると16%程度低くなっています。50番台のグラフィックボードとしては十分なスコアだと思います。
Time Spy
Time SpyはDirectX 12対応のベンチマークソフトです。GeForce GTX 1650のスコアは3,522です。GeForce GTX 1050 Tiよりも46%高く、GeForce GTX 1050よりも95%も高いです。Geforce GTX 1060 3GBとの性能差は5%弱とそれほど大きくありません。タイトルによってはGeForce GTX 1060と同等のパフォーマンスを期待できます。
FF14
標準品質で107.3fps、最高品質で62.0fpsとまずまずのフレームレートが出ています。負荷が軽めなMMORPGならGeForce GTX 1650でも問題なさそうです。
Cyberpunk 2077
Cyberpunk 2077になると一気にハードルが上がります。低設定でも平均fpsは46.1fps、最小fpsは36.7fpsと低いです。XeSSあるいはFSRなどのアップスケーリング技術が必須です。XeSS(パフォーマンス)の有効化で50%近くもフレームレートが引き上げられます。平均fpsは67.8fpsと十分ゲームがプレイできる数値になります。